遷延性意識障害において発生する介護費用について
交通事故で遷延性意識障害となった場合、避けて通れないのが介護の問題です。
遷延性意識障害となった場合には、食事を自分では行えないため栄養管理をしなければいけませんし、排泄や入浴といったものも自分では行えないため、介護者がすべて行わなければいけないので、365日24時間介護が必要となってきます。
自宅での介護の場合は遷延性意識障害患者の家族が中心となって介護していくことが多いのですが、家族のみの介護は荷が重いこともあり、職業介護人も並行して雇うことが多いです。
また、自宅ではなく養護施設で介護する場合でも、施設職人による完全介護の場合もありますが、付き添いという形で介護を行わなければいけないケースもあります。
いずれの場合にも家族に多かれ少なかれ負担がかかるのですが、それ以上に金銭的な負担が問題となります。
交通事故で遷延性意識障害となった直後は、患者家族も『家族を守っていかなければ!』といった使命感がありますが、実際介護する段階になって勤務している会社に勤め続けられるのか、年齢を重ねて体力がなくなってきた際に介護が続けられるのか、迷われることがあります。
また、実際介護を始められてから、慣れない介護で精神的に追い詰められたり、介護費用により金銭的な困窮に陥るといったケースもあります。
退院前に将来的な介護プランを立てる
交通事故で入院した場合、90日ないしは180日で退院を迫られることになります。
一見すると日数があるように見えますが、事故に直面した遷延性意識障害患者の家族からすれば、次から次へとしなければいけないことが出てくるため、気がつけば何も決まらないまま退院を余儀なくされることもあります。
そのため、早期の時点で将来的な介護費用も含めた介護プランを立てる必要があります。
なぜならば、交通事故の相手方に対して具体的な介護プランを提示することにより、被害者家族側も将来的なプランニングがしやすくなるからです。
特に介護費用は30年ほどの介護で5000万円近い費用が発生する事も珍しくないので、若年の遷延性意識障害患者ほど将来的な介護費用が必要となってきます。
交通事故の加害者側へ請求する際に、相手側が自動車保険に加入していない場合には、自賠責保険が被害者の唯一の頼みの綱となる可能性すらあります。
また、自動車保険に加入をしていたとしても、保険会社は自社の利益の観点から損害賠償金を支払いたがらないケースもありますし、仮に1億円の損害賠償請求をしたところで、自動車保険の補償額の上限が5000万円ならば保険会社からは5000万円しか支払われず、残りは加害者個人が賠償することになります。
個人で高額の損害賠償金を支払うことができる人は少ないため、弁護士に依頼をして現実的な介護費用を計算してもらい請求してもらう方が良いというケースもあります。
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交通事故で遷延性意識障害を負った場合には、施設介護か自宅介護のどちらを選択するか考えるべきである。弁護士を交えて決めた方が後に後悔しない選択になる。
交通事故が原因の遷延性意識障害患者は、長期入院や施設入居が難しく、自宅介護を選ぶケースは多い。近親者介護、職業介護人の雇用、もしくは組み合わせも可能で、それにより損害賠償額の基準が変わる。
交通事故で遷延性意識障害を負った場合、施設介護か自宅介護かの選択は難しい。弁護士に依頼すれば自宅介護を選択するにあたって問題を段階的にクリアしていける。
交通事故により遷延性意識障害となった場合、自宅介護を認められるにはいくつかの条件がある。裁判で認められて適正な介護費用を提示されるためには、弁護士に依頼するのもひとつの手である。
遷延性意識障害は基本的に介護が必要となる。職業介護人を雇う、あるいはご家族が介護をするにしても、加害者側へ介護費用を請求できるため、弁護士を雇い、相手の保険会社と交渉してもらうのが望ましい。