交通事故の被害者が,保険会社との交渉を有利に進めるために、最初に知っておきたいことが1つあります。
それは、「保険会社は示談金をできるだけ低額に抑えようとする」ということです。
保険会社も会社として経営しているわけですから、支払をなるべく安くすませたいと考えているのは,ある意味当然のことではあります。
交通事故の被害者側は,保険会社が支払を安くすませようとしていることを十分に理解したうえで,被害者側に有利になるように,注意深く行動する必要があります。
けっして,保険会社を信じきってはいけません。
保険会社は,「加害者側の人間」です。
けっして,被害者の味方ではありません。
ですから、このことを念頭に置いたうえで、交渉を進めていくことが大切です。
こちらのページでは、保険会社との交渉を有利に進めるために、「多くの方が見落としがちなポイント」についてアドバイスをさせていただきたいと思います。
1. きちんと通院をする
ごく当たり前のことですが、保険会社との交渉を有利にすすめるためには、きちんと通院するというのが大事な事です。できれば週に2回以上通院する、通院しているという実績を残しておけば、あらゆる点で有利ですし、逆に、定期的に通院しておかないと不利になるのです。
たとえば事故が発生してから、治療が完了するまでの期間がだいたい6か月くらいあるとして、もしその間に6回しか病院に行っていないとします。このような場合は、保険会社は「通院をしなくても良いくらいだから、痛みは軽度であったはずだ」と主張し、それが裁判所で通る可能性もあります。
病院に行って治療を受けたかったが、重要な仕事中だったので病院には行かずに歯を食いしばって頑張っていたというケースかもしれません。また実際にあったケースですが、元々事故にあった時に妊娠していた、だからあまり病院に行って薬が打てなかったというケースも多々あります。
しかし、このような事情があったとしても、通院していなければ保険会社が主張する弱みを作ることになってしまうのです。
2. 症状固定はできるだけ遅くする
保険会社は症状固定を早めようとしてきます。特に後遺障害が残らない程度の怪我の場合ですと、「6か月以内に症状固定したらどうか」と保険会社が言ってくるケースがあります。また、早い場合であれば治療開始3ヶ月位で、保険会社の方があまり大した怪我ではないので症状固定ですね、と言ってくるケースがあります。
しかし、症状固定をしてしまうと、症状固定したあとに発生した治療費は保険会社は負担しなくなります。ですから、症状固定に関して、あまりにも急ぎすぎるのはリスクになります。症状固定時期は交渉できます。このように、必要なときまで待つことも重要なポイントだと言えます。
3. 交渉する担当者の対応が悪い場合は手紙を送る
保険会社の担当者にも色んなタイプの方がいます。
丁寧な対応の方もいますが、中にはすごく無礼な担当者もおられ、被害者の方が傷つく事もあります。もしそういう態度が悪い保険会社の担当者がいたら、本社に手紙を書くと良いでしょう。
「○○という担当者は、被害者にある私に対して、こんな事を言った」と、なるべく具体的に言われた言葉を書き上げて、本社に送るのです。保険会社は本社にこういった問題を持ち込むと、現場に厳しく指導が入る事があり、そこから交渉が有利に進むことがあります。
4. 最終的には裁判をする
保険会社との交渉を一番有利に進めるためには裁判をする事が重要です。損害賠償の金額が高く、裁判を起こすべきケースでしたら、ためらいなく起こしてかまわないと思います。
また保険会社には「被害者本人が交渉しているのか」、「弁護士が交渉しているのか」、「裁判になっているのか」という交渉の状況によって、解決の提案を大幅に変更するという一面があります。
ですから、保険会社との交渉を有利に進めるためには、裁判をしないにせよ、交通事故に強い弁護士に相談をされることをおすすめいたします。