交通事故事件は最終的には「和解」か「裁判」のいずれかで解決します。
いずれの場合であったとしても、被害者の方が最初にすべきは治療です。
事故の直後にすぐ示談などということはありませんので、事故の直後に「今何かしておかないと不利になるのではないか」などと考える必要はありません。
すべてに優先されるのは、治療となります。
治療をある程度すすめていって、通常6か月ほど経過すると症状固定という、今後の後遺症の程度が判断できる状況になります。
この症状固定のあたりで、一度弁護士にご相談いただくことをおすすめします。
なぜなら、症状固定から後遺障害の認定を受けるまでの間が、やり方によって有利になったり不利になったりするからです。
たとえば、後遺障害の等級認定をとる時に、加害者の保険会社に任せきりにしてしまうと、保険会社に都合の良いように等級認定を操作されてしまう可能性もあります。
特に重大な事故の場合、保険会社に任せるのではなく、被害者請求という形で弁護士に依頼して手続きをした方が、後々に有利になる事があります。
この後遺障害認定手続きが終わった後に、保険会社の示談が始まります。
和解で解決するか、それとも裁判か?
最初に目指すのは「和解」という解決方法です。和解というのは、双方が損害賠償金額に納得するという形での解決です。
ただし、保険会社から最初に提案される示談金に関しては、相場を大幅に下回ることが多いので、まずは疑ってかかった方が良いです。
たとえば、慰謝料という名目で出てきている金額については2倍くらいにまで増額する可能性が十分あります。
また、後遺障害がついているケースでしたら、損害賠償の総額が「保険会社が提案してきた金額の3倍や4倍」になることもあります。示談書が出てきたら、まずは弁護士に相談のうえ、調査を依頼する手続きをした方が良いです。
このような交渉を繰り返し、保険会社から納得のいく損害賠償額が提示されたなら、和解という形で解決するのもよいかと思います。
しかし、納得のいく金額でなければ、お互いが和解することはできません。
その場合は、裁判に進みます。
なお、「裁判なんてしても良いのかな?」という躊躇、気後れがあるとは思いますが、交通事故の裁判に関しましては、裁判で解決した方がより有利になるという事が多いです。(約90%の事例では裁判をした方が増額します)
ですから弁護士から見て、被害者が裁判に出せば有利になると考えた場合は、ためらわずに裁判を起こした方が良いと思います。
裁判をすることによって被害者が不利になるケースは普通は考えられませんので、弁護士にご相談のうえ、裁判を起こされることも良い解決方法であると言えます。