【質問1】交通事故の被害者です。弁護士を選ぶときに、失敗したくないのですが、弁護士を選ぶときのポイントを教えてください。
【回答】交通事故に強い弁護士の特徴は、3つあります。
1. 被害者の方とのコミュニケーションが上手な弁護士であること
2. 交通事故の裁判を最後までやりきれる自信のある弁護士であること
3. 先の展開を読める弁護士であること
です。
順番に、お話をしていきましょう。
1つ目の特徴は、「被害者の方とのコミュニケーションが上手な弁護士である」ということです。
交通事故に強い弁護士は、裁判で一回記述があったことを、被害者にすぐ伝え、次回どんな事を言う事のか、先の展望をふまえて分かりやすく説明してくれます。
これに対して、交通事故に弱い弁護士は、依頼者に報告が遅かったり、そもそも報告しないという傾向にあります。
2つ目の特徴は、「交通事故の裁判を最後までやりきれる自信のある弁護士である」ということです。
交通事故に弱い弁護士の場合は、「裁判になったらどうしようかな」と内心怯え、裁判になることを恐れています。
逆に交通事故に強い弁護士の場合は、「いざとなったら裁判しよう」と、落ちついて構えています。
3つ目の特徴は、「先の展開を読める弁護士である」ということです。
交通事故の裁判になれている弁護士は、
「この裁判で,こちら側が、こういう主張をしたら,おそらく相手方は,こういう反論をしてくるだろう。」
「相手がこういう反論をしてくることが予想されるから,そのときのために,こういう証拠を準備しておこう」
というように,常に,保険会社よりも,一手先,三手先の展開を予想しながら対応できます。
それを踏まえた上で被害者の方に説明し、裁判や交渉を有利に進めていきます。
【質問2】インターネットで「交通事故 弁護士」という言葉で検索してみたら、弁護士が数多く登録されているホームページが出てきます。こういうホームページで、弁護士を探してもいいでしょうか?
【回答】弁護士が数多く登録されているホームページから弁護士を探すのは、絶対にやめましょう。
弁護士が数多く登録されているホームページのことを、一般には「ポータルサイト」「弁護士比較サイト」などと呼んでいるようです。
全国交通事故弁護団は、こういう「ポータルサイト」などで弁護士を探すことには反対しています。
まず、「ポータルサイト」を運営しているのは弁護士ではありません。
被害者のみなさんは、「交通事故 弁護士」という言葉で探したときに出てくるポータルサイトは、弁護士が管理運営していると思っていませんか?
実は、違うのです。
こういうポータルサイトを運営しているのは、広告会社や、ホームページ制作会社なのです。
ですから、弁護士とは何の関係もない会社なのです。
これは、被害者のみなさんにとっては、少し驚きの情報かもしれません。
実際、ポータルサイトのホームページの一番下のあたりを探してみたら
「会社概要」
「運営者情報」
「特定商取引法に基づく表示」
という表示があると思います。
そういう表示をクリックしたら
株式会社○○
というように、ポータルサイトを運営している会社の名前を書いているページを開くことができます。
ご自分で確認してみてください。
そうすると、実は、「交通事故に強い弁護士を集めました」と言っているポータルサイトを、実際に運営しているのは、弁護士とは何の関係もない、普通の株式会社だということが分かります。
運営主体をちゃんと書いているポータルサイトは、まだ、ましかもしれません。
ポータルサイトのなかには、誰が運営しているのかを全く書いていないところもあります。
そういうサイトは、全く信用できないと言ってよいでしょう。
全国交通事故弁護団では
私たち全国交通事故弁護団は、運営弁護士 のページを見ていただければわかるとおり、ホームページを管理運営しているのは、弁護士自身です。
ホームページの記事を書いているのも弁護士自身です。
また、交通事故の相談を受け付けて回答しているのも弁護士自身です。ですから、「弁護団」という名前を使うことが許されているのです。
こういう点が、私たち全国交通事故弁護団と、他のポータルサイトとの決定的な違いです。
【質問3】ポータルサイトを運営している団体が、弁護士と関係のない、株式会社であると、なにか、被害者にとって、良くない点があるのでしょうか?
【回答】ポータルサイトを運営している団体が、株式会社◯◯というようなところだとすると、運営者が交通事故のことを何も知らない人である可能性が高いです。
これが一番困ったところだと思います。
交通事故のことを何も知らない人が運営しているとすると、
- ポータルサイトの中に書かれている記事が、本当に真実なのかどうか、確認ができない
- ポータルサイトで「おすすめ弁護士」「厳選弁護士」というように弁護士が紹介されていても、本当に交通事故にくわしい弁護士なのか、全くわからない
ということになります。
交通事故のことを何も知らない人から、
「あの弁護士さんは交通事故にくわしいです」
「あの弁護士さんは、おすすめです」
と推薦されても、まったく信用できないです。
自分が交通事故のことを知りもしないのに、なぜ、交通事故に強い弁護士を推薦できるのでしょうか?
私には、そういう、理由もなく弁護士を推薦する行為は、無責任な行為に思えます。
全国交通事故弁護団では
私たち全国交通事故弁護団は、弁護士自身が管理運営している団体です。
私たちの弁護団に加盟している弁護士は、全員が以下の審査基準をクリアしています。
- 弁護士の所属する法律事務所が、交通事故の法律相談を100件以上経験していること
- 弁護士の所属する法律事務所が、保険会社側の顧問弁護士をしていないこと
- 弁護士の所属する法律事務所が、交通事故の専門ホームページをもっていること
- 弁護士の所属する法律事務所が、交通事故の直後からの法律相談、後遺障害の認定、異議申立て、示談交渉、民事裁判、という交通事故に関する全ての法律サービスに対応していること
したがって、私たち弁護団は、交通事故に強い弁護士を推薦する能力も高く、弁護団の弁護士には厳しい審査基準がある一方、
他のポータルサイトの運営者は、交通事故のことを何も知らない素人であるので弁護士を推薦する能力がない
という点が、大きく異なります。
【質問4】ポータルサイトは、なぜ、弁護士を推薦しているのでしょうか?
【回答】ポータルサイトは、弁護士を推薦することで広告料をもらっているからです。つまり、自分の会社が利益を上げるために弁護士を推薦しているのです。
「交通事故 弁護士」という言葉で検索すると出てくるようなポータルサイトは、弁護士から広告料として、月額5万円とか月額10万円というお金をもらっています。
交通事故の被害者の方は、注意しないといけません。
ポータルサイトは、善意で弁護士を推薦しているわけではないのです。
ポータルサイトは、多くの弁護士を推薦すると、弁護士の数だけ広告料を支払ってもらえることになります。
そのため、ポータルサイトは、一つの地域内であっても、大量の弁護士を推薦しています。
たとえば、「東京都で交通事故に強い弁護士」として推薦されている数を調べてみたら
Aポータルサイト 弁護士83人
Bポータルサイト 弁護士36人
Cポータルサイト 弁護士21人
も推薦されていました。
このように大量に弁護士を「推薦」されることは、被害者にとって、良いことなのでしょうか?
私には、全く、良いこととは思えません。
被害者にとっては、自分が本当に依頼する弁護士は一人だけです。弁護士を探そうとしてポータルサイトにアクセスしたにもかかわらず、「弁護士83人」を推薦したから、その中から選べ、と言われても困ると思います。
また、ポータルサイトを実際に運営しているのは、交通事故のことを何も知らない人なのですから、こんなに大量の弁護士の中に、本当に交通事故に強い弁護士がいるとも限りません。
ポータルサイトの記事だけをもとにして弁護士を選ぼうとしても、みんな、同じようなことを言っているので、選ぶ基準にもなりません。
同じ地域で大量の弁護士を推薦することは、交通事故の被害者のためではなく、ポータルサイトの利益のためにされているのです。
交通事故の被害者は、ポータルサイトに対して、もっと怒るべきではないでしょうか。
全国交通事故弁護団では
私たちの弁護団では、広告料で利益をあげようというつもりは全くありません。
ですから、原則として、一つの地域で推薦している法律事務所は、一つにしています。
地域で一つだけ、最高の事務所だけを推薦することが、本当の意味で「推薦」することだと思っているからです。
このように、地域で一つだけ「推薦」している、私たちの弁護団と、
同じ地域で大量の弁護士を「推薦」しているポータルサイトは、大きく違う、ということが明らかです。
【質問5】交通事故の弁護士を推薦しているポータルサイトをいくつか見たのですが、推薦している弁護士が全く異なります。ポータルサイトは、本当に、交通事故に強い弁護士を推薦しているのでしょうか?
【回答】ポータルサイトは、実際のところは、交通事故に強い弁護士を推薦していません。
また、ポータルサイトは、交通事故に強い弁護士を推薦する意思もありません。
なぜならば、ポータルサイトは、弁護士から広告料をもらって利益を上げていますので、広告料を支払ってくれる弁護士なら、誰でも掲載するのです。
「弁護士を厳選しました」「交通事故に強い弁護士を集めました」などと言っているのは、すべてウソです。
実際には、審査などしていません。
もし、本当に、ポータルサイトが「交通事故に強い弁護士」を推薦しているのであれば、いくつかのポータルサイトで共通の弁護士を推薦しているはずです。
しかし、実際には、ポータルサイトによって、推薦している弁護士は、全く異なっています。
これは、当たり前なのです。
ポータルサイトが推薦しているのは、「そのポータルサイトに対して広告料を支払っている弁護士」なのですから、ポータルサイトごとに推薦している弁護士が異なっているのは、むしろ、当たり前なのです。
インターネットで弁護士を選ぶときには、ポータルサイトを信用しすぎないようにしましょう。推薦している弁護士が交通事故に強いとは思わない方がいいでしょう。
全国交通事故弁護団では
一方、全国交通事故弁護団では、お互いに、よく知っている弁護士だけが加入しています。
交通事故事件について、十分な知識と経験をもっていると認められた弁護士だけが加入しています。
また、客観的にも、以下の審査基準を満たしている事務所だけが、私たちの弁護団に加入できているのです。
- 弁護士の所属する法律事務所が、交通事故の法律相談を100件以上経験していること
- 弁護士の所属する法律事務所が、保険会社側の顧問弁護士をしていないこと
- 弁護士の所属する法律事務所が、交通事故の専門ホームページをもっていること
- 弁護士の所属する法律事務所が、交通事故の直後からの法律相談、後遺障害の認定、異議申立て、示談交渉、民事裁判、という交通事故に関する全ての法律サービスに対応していること
ですので、私たちの弁護団と、いわゆるポータルサイトの間には、大きな違いがある、と言ってよいでしょう。
【質問6】結局のところ、交通事故の被害者は、どういう点に注意して弁護士を選んだらいいのでしょうか。
交通事故の被害者が弁護士を選ぶときに考えたいことには、大きくわけて、2つあります。
能力と人格です。
能力というのは、自分の交通事故事件を解決する知識と経験です。
では、弁護士の能力を、どう判断したらいいでしょうか。
これは、本当に難しいところです。
一つの考えとしては、
「交通事故事件に真剣に取り組んでいるのであれば、交通事故の専門的なホームページをつくっているだろう」
ということは、言えると思います。
専門的なホームページをつくる、ということは、費用も時間もかかることです。
それだけの費用と時間をつかって、自分の専門的なホームページをつくっている、ということは、それだけ交通事故の事件に真面目に取り組んでいるからだと思うのです。
ですので、交通事故弁護団の弁護士は、みんな、自分の事務所に交通事故の専門的なホームページをもっています。
交通事故の事件に真剣に取り組んでいるからこそ、できることです。
交通事故の被害者が弁護士を選ぶときに考える、もう一つの要素は人柄です。
交通事故の被害者は、そもそも傷ついているわけですから、対応する弁護士の人柄が優しいものでなければなりません。
また、死亡事故や、重度の後遺障害が残る事件など、重大な被害を受けている事故であれば、その事件の全体的な見とおしを最初から、しっかりと立てられる弁護士でなければなりません。
「人柄」には、人との相性というものもありますから、実際に、弁護士に会って話してみないと、自分との相性がわからないことも多いと思います。
弁護士と会って話をした結果、「頼もしい」という感じがしたら、依頼した方がいいのではないかと思います。
逆に、弁護士と会って話をした結果、「必要以上にエラソウ」だと思ったり「自分とは合わない」と思ったら、やめた方がいいのかもしれません。
相性というものは、どちらが悪いわけではありません。
相性が悪い弁護士に依頼すると、あとで困ったことになるかもしれませんから、なるべく、依頼する前に面談をすることをおすすめします。