遷延性意識障害を負った場合に選択する施設介護か自宅介護か
交通事故で遷延性意識障害を負った場合には、施設介護か自宅介護かの選択を迫られます。
保険会社はまず施設介護の提案をしてきます。
自宅介護を選択した場合は自宅の改装費もかかり、保険会社からすれば支払うお金が多くなるため、施設介護を提案するのです。
しかし、施設介護を選択した場合は3カ月に一度の目安で転院をしないといけないのが問題です。
その都度転院をするとなると、転院先を見つけるのも一苦労です。
転院先が介護をされるご家族の自宅から遠く離れた場所を選択しないといけないかもしれません。
さらに、遷延性意識障害患者を受け入れているグループホームは1%以下であり、入所施設においてもおよそ23%にとどまっています。
必ずしも遷延性意識障害患者が問題なく居場所を確保できる環境が整っているわけではありません。
遷延性意識障害患者の症状は要介護5の状態に近く、医療的ケアができる施設は多くありません。
そのうえでこれから先ずっと介護費用もかかるため、介護費用についての不安もあるでしょう。
自宅介護を選択する場合、ご家族は24時間介護をしないといけないため、大変であるのは間違いありません。
しかし、ホームヘルパーや職業介護人のみならず、ご家族が介護する場合の介護費用も請求ができます。
自宅介護では遷延性意識障害患者の介護ができないと判決が下りる場合もあるものの、自宅介護をする家の問題や病院との連携が取れないなどの問題を事前に把握して対応すれば、結果は変わります。
弁護士に依頼して対応するのが望ましい
遷延性意識障害患者を施設介護するか自宅介護するか、どちらにもメリットとデメリットがあります。
どちらを選択すべきかは状況次第であるものの、状況を変えて望むべく選択をすることもできます。
弁護士に依頼して対応すれば、賠償金は数千万円になります。
自宅介護を選択するにあたってのお金の問題をクリアすることが可能です。
損害賠償額だけで選択すべきではないものの、自宅介護を選択すれば転院の問題もなくなり、ご家族とともに生活をしながら介護もできます。
肉体的や精神的に疲弊しているご家族だけで保険会社と対応した場合、言いなりになってしまうことも少なくありません。
適切な対応をしていくにあたって弁護士に依頼しての対応は欠かせません。
まずは弁護士に相談をしたうえでどちらを選択すべきか考えていくのがおすすめです。
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交通事故で遷延性意識障害を負った場合はまず、自宅介護の主張や立証を行うべきである。今現在は自宅介護を選択できずとも、今後自宅介護を選択する可能性も残しておくためである。
交通事故で遷延性意識障害を負った場合には、施設介護か自宅介護のどちらを選択するか考えるべきである。弁護士を交えて決めた方が後に後悔しない選択になる。
交通事故が原因の遷延性意識障害患者は、長期入院や施設入居が難しく、自宅介護を選ぶケースは多い。近親者介護、職業介護人の雇用、もしくは組み合わせも可能で、それにより損害賠償額の基準が変わる。
遷延性意識障害の自宅介護のためにリフォームする場合、リフォームの箇所が認められなかったり、加害者側がリフォーム費用を支払ってくれないといったケースがあるため、事前に弁護士に相談をした方が良い。
遷延性意識障害の患者を自宅で家族が介護する場合、家族による介護費用の補償がされることがあるが、絶対的なものではないため、示談前に弁護士に相談をするほうが良い。