遷延性意識障害では自宅介護と施設介護のどちらにすべき?
ご家族が交通事故に遭い、遷延性意識障害を負った場合、自宅介護を選択すべきか迫られることになります。
施設介護を選択する場合の大きな問題になるのは3カ月で転院を求められることです。
ずっとその病院を利用できるわけではないからこそ、自宅介護を視野に入れるのが当然といえます。
ただ、安易に自宅介護を選択するのはおすすめできません。
食事や排泄、まめな体位変換と清拭、痰の吸引やおむつの交換など、24時間365日気を許せない介護が必要になるためです。
もちろん、ホームヘルパー、訪問リハビリ、デイサービスなどのサービスを行った事業者ごとの領収書を提出すれば、介護料の上限額までの範囲内で支給されます。
遷延性意識障害患者の介護で必要となったものの購入に関しても同様に事業者ごとの領収書の提出によって、介護料の上限額までの範囲内で支給されます。
また、多くの場合で自宅介護を可能とする住宅のリフォームも必要になります。
段差にスロープを設置し、住宅の間取りに合わせてバリアフリー改造する必要があるでしょう。
さらに、エアコンや加湿器、空気清浄機は24時間フル稼働となります。
遷延性意識障害患者は自分で体温の調節をすることが困難であるためです。
裁判所が認める自宅介護とは
自宅介護を選択するにあたっては、遷延性意識障害患者本人や家族の希望、介護環境、住環境、医療環境の4つの要件を満たしていないといけません。
今現在はこの4つの要件を満たしているにしても、今後どうなるか分からないという場合もあるでしょう。
本当に自宅介護を選択すべきか、先々のことまで考えないといけません。
ただ、施設介護を選択した場合と比べると損害賠償額は高くなります。
加害者側は自宅介護をするのは難しいのが理由で、施設介護を前提とすべき主張をする場合もあります。
この主張は極めて身勝手な理屈であり、加害者側の賠償金額を下げたい狙いがあるためです。
しかし、加害者側の主張は一理あるのは間違いありません。
本当に自宅介護を選択すべきは精査しないといけないものです。
後に後悔しない選択をするためには、やはり弁護士に依頼するのが望ましいです。
少しでも獲得できる賠償金額を高くする、あるいは今後の生活を考えて自宅介護か施設介護を選択するかについても第三者を交えた方が判断しやすくなります。
弁護士を選ぶときには交通事故訴訟に精通した弁護士を選択しましょう。
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遷延性意識障害患者の将来的な介護費用は若年の患者であるほど高額となるため、将来的な介護プランをきちんと立ててから、加害者側に請求を行った方が良い。
交通事故で遷延性意識障害を負った場合はまず、自宅介護の主張や立証を行うべきである。今現在は自宅介護を選択できずとも、今後自宅介護を選択する可能性も残しておくためである。
交通事故で遷延性意識障害を負った場合、施設介護か自宅介護かの選択は難しい。弁護士に依頼すれば自宅介護を選択するにあたって問題を段階的にクリアしていける。
交通事故により遷延性意識障害となった場合、自宅介護を認められるにはいくつかの条件がある。裁判で認められて適正な介護費用を提示されるためには、弁護士に依頼するのもひとつの手である。
交通事故が原因の遷延性意識障害患者は、長期入院や施設入居が難しく、自宅介護を選ぶケースは多い。近親者介護、職業介護人の雇用、もしくは組み合わせも可能で、それにより損害賠償額の基準が変わる。