脊髄損傷で入院中に転院は出来る?
交通事故に遭うと、「救急車で救急病院に搬送されて即入院」、といったケースがあります。
搬送された救急病院が自宅から近ければよいのですが、通勤やレジャーなどで遠方地で事故に遭い、自宅から何時間もかかる病院に入院と言う事もあります。
脊髄損傷の場合、患者の家族が「毎日でも見舞いに行ってお世話をしたい」と言われることが多く、日帰りが難しいような遠方の病院であれば、家族が病院や病院近くのホテルに泊まりこんで付添うと言ったことも珍しくありません。
そのため、自宅近くの病院に転院を望まれる脊髄損傷患者の方もいます。
なかでも糖尿病や高血圧などの持病があり、日ごろから総合病院に通院している場合には、「カルテもあるし、主治医もいるし、通い慣れた病院の方が良い」と強く転院を希望される傾向が強いです。
治療中に転院は出来るが注意が必要
しかし、一度入院してしまうと別の病院に転院するのを、ためらわれる方もいます。
特に、脊髄損傷の場合は脊髄に大きな怪我があるだけでなく、腕や足などのそのほかの部位も怪我を負っていることがあり、医師からも「絶対安静」と言われている場合もあります。
また、車いすに乗れるレベルまでならば良いですが、首から下の麻痺で座っている姿勢も辛いという場合には、何時間も自動車に乗るというのは負担が大きいと言えます。
ですが、必ずしも転院が出来ないというわけではありません。
手順をちゃんと踏めば、脊髄損傷の治療で入院が必要な状態であっても、転院をすることは可能です。
手順を詳しく説明しますと、
1.主治医やケースワーカーに転院の希望を伝える
主治医やケースワーカーに転院をしたい旨を伝えて、患者の容体が自動車の移動などに耐えられるか事前に確認しましょう。
遠方地であることや、既往症があり心配などの理由を添えて希望すれば、意外とすんなり許可が出ることがあります。
2.転院先の病院に入院の許可をもらう
いくら転院を希望していても、受け入れ先の病院のベッドがいっぱいであれば、転院は不可能です。
転院先の病院には、「○○県××市の△△病院に、交通事故で脊髄損傷になり入院しているのですが、以前からお世話になってる□□病院に転院したい」と伝えましょう。
ですが、その1回の連絡だけで転院が叶うのは稀です。
受け入れ先の病院も、脊髄損傷の度合いが重すぎて病院設備が整っていなかったり、脊髄損傷の専門医がいないこともあるからです。
場合によっては、入院中の病院と転院希望先の病院が連絡を取り合って、転院を決めることもありますので、許可が下りるだけで数日かかることもあります。
3.移動手段の手配をする
転院が決まれば移動手段を決めなければいけませんが、脊髄損傷の場合は車いすであったり、寝たきりと言ったことも少なくありません。
そのため、自家用車やタクシーで移動と言うのはお勧めできません。
車いすに対応した介護タクシーや、寝たままで移動できる民間の救急車などがありますので、患者の負担を減らすためにもそういったサービスを利用する方が良いでしょう。
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脊髄損傷のリハビリ期間は、ADLを習得するのに6カ月~2年が一つの目安とされているので、患者はリハビリに専心して交通事故の示談は弁護士に任せる方が良い。
交通事故での脊髄損傷の診断書は、医師しか作成できないため、患者は医師と日ごろから円滑な連携をとる必要がある。
脊髄損傷で行われる手術は、神経除圧術と脊髄固定術があるが、どちらも脊髄損傷を根本から治癒するものではなく、対処療法としての手術になる。
脊髄損傷は、脊椎を通る脊柱管の中にある脊髄という神経の束を傷めると発症する神経の病変で、脊椎損傷は、脊椎を構成している椎骨の骨折やねんざなどの外傷です。
脊髄損傷の入院期間は、国が定めた規則により例外と認められない限り6カ月を超えると入院基本料の15%が自己負担になるため、ほとんどの人が6カ月以内に退院する。