脊髄損傷の後遺障害認定に関すること
交通事故による脊髄損傷の相談で、後遺障害認定に関することが多く寄せられています。
後遺障害の認定は1級が一番重く、14級が一番軽度の障害とされています。
脊髄損傷は、脊髄が損傷した場所により大きく後遺障害の程度が変わりますし、完全断裂か部分断裂かでも後遺障害の出方が変わってきます。
そのため、議論の余地なく後遺障害認定1級が承認されるケースもあれば、後遺障害認定14級すら認めてもらえないと言ったことがあります。
また、「同じような障害が残っているのに、○○さんは後遺障害12級で、私は14級だった。」「後遺障害認定の事を事前に調べていたら9級相当かと思っていたのに、実際は12級しか認めてもらえなかった。」と、後遺障害認定はされたものの等級が低いとの相談も多くあります。
後遺障害認定は医師や保険会社がするものではなく、提出された診断書や書類などから損害保険料率算出機構(自賠責損害調査事務所)が判断することになります。
もし仮に脊髄損傷の度合いが同じであるAさん・Bさんが、提出した書類の内容が同じであれば、同一等級の認定がされることになります。
一筋縄ではいかない後遺障害認定
しかし、実際にはAさんは10級でBさんは12級と言う事があります。
なぜ同じような障害で後遺障害認定が変わるかと言うと、認定の書類の内容が違うと言う事につきます。
損害保険料率算出機構も患者本人と面談をして、脊髄損傷の度合いを確認するわけではありませんので、書類でしか判断することができません。
よく交通事故の加害者側の保険会社に、後遺症認定の申請を任せている被害者がいますが、保険会社からすれば「後遺障害の認定の等級が上がる=損害補償金があがる」と言う事なので、提出する書類に必要最低限の症状の記載しかしないため、被害者が予想していた等級よりも低くなったり、認定すらされなかったりするのです。
どうすれば後遺障害認定がとりやすくなるかと言うと、自分で後遺障害認定の書類を作成・提出することです。
診断書は医師が作成するものになりますので、保険会社が提出する場合でも、被害者本人が提出する場合でも変わりありません。
そのため、提出する書類が重要となります。
症状はもちろんのこと、日常生活などで交通事故前と比べてどれだけの不自由が生じているかを事細かに記載する必要があります。
中には、記載が必要な項目の記載を忘れて「書類不備」として後遺障害認定がされないと言ったこともありますので、書類の作成を交通事故に強い弁護士に依頼する方が安心できます。
この記事を読まれた方にオススメの情報5選
交通事故による脊髄損傷の後遺障害認定を受ける際に、日常生活状況報告書の内容が重要となるので、交通事故に詳しい弁護士のアドバイスを受けて作成をした方が良い。
脊髄損傷であっても麻痺などの症状がない場合には、後遺障害認定を受けることは困難である。
脊髄損傷の後遺障害認定を受ける際には、被害者請求をする方が有利であるが、申請書類の内容が認定を左右するため、弁護士に相談をした方が良い。
脊髄損傷の損害賠償請求の示談は交通事故から3年が時効とされているが、後遺症がある場合には、症状固定日から3年が時効となる。
脊髄損傷になったら、精度の高いMRI画像を撮影する、神経学的検査を受けるなどして後遺障害診断書に添付する証拠を集め、納得のいく後遺障害等級を認めてもらうのが望ましい。