交通事故の加害者から謝罪がない場合、どうすれば良い?
【質問】
交通事故の被害者となり、今も治療で通院しています。
車に乗っていて赤信号で止まっていたところに、いきなり後ろから追突されてむち打ちになってしまいました。
事故の相手の人とは、その場で話した際に「すみませんでした」という軽い謝罪はあったもののそれっきりで、改めて本人からの連絡や訪問、詫び状など、全く音沙汰もありません。
こちらに過失はないですし、もし私が加害者ならすぐに菓子折りなどを持って改めて謝罪し、その後の体調などを伺うと思うのですが・・・相手の誠意が見えない態度に、驚きの気持ちや悔しい思いもあります。
私には全く理解できないのですが、どういうつもりなのでしょうか。
何かできることはありますか?
【回答】
一般的にみて、交通事故で相手方に怪我などを負わせてしまった加害者は、後日改めて被害者宅へお詫びに伺ったり詫び状を送ったりするものですが、そういった行為を全くしない加害者も、なかにはいます。
代理人である保険会社が加害者に対して「直接交渉しないように」と話をしている可能性はありますが、交渉と謝罪とはまた別の問題ですから、これは言い訳といっても良いでしょう。
「保険会社に任せているから」「いつも忙しいから」と罪に向き合わず、逃げてしまっているのかもしれません。
そのような性質の加害者は、事故の重大性を認識せず反省しないばかりか、示談交渉でウソをついてきたり、責任逃れをしようとするケースもあります。
交通事故による怪我の治療で痛みや負担を強いられ、謝罪の言葉もないとなると相手を恨む気持ちが募りがちですが、このようなときこそ冷静になることが大切です。
加害者に仕返しをしたところでメリットはなく、ストレスが増大してしまうだけです。
「被害者の気持ちを理解できない人」と割り切り、冷静に対処してください。
謝罪だけであれば、保険会社に「加害者から謝罪してほしい」と伝えることで、対応してもらえることもあります。
しかし、気持ちがこもらない謝罪を受けても被害者の心は癒されず、治療の役にも立ちません。
ここは、「十分な損害賠償を受ける」ことに目的を絞りましょう。
お金のことより気持ちが・・・という思いはあるでしょうが、何より必要かつ役に立つのは、お金です。
お金は民事の問題であり、一方の刑事処分については被害者の意向も考慮されるため、警察や検察に事情を話して厳重な処罰を希望することができます。
不誠実な相手に対して十分な損害賠償を要求するためには、交通事故処理のエキスパートである弁護士に相談するのが役立ちます。
今どのような状況で、どうすれば十分な損害賠償を受け取ることができるのか、法律の専門家を味方につけるようにしましょう。
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仮に交通事故の示談交渉を弁護士に任せたとしても、保険会社と交渉する場に、被害者が同席する事は可能である。しかし、その場合にはスムーズに事を進めるために入念な打ち合わせが求められる。
交通事故における過失割合は、被害者が請求する賠償金に大きく影響する。相手の保険会社が決定した過失割合に納得いかない場合、根拠のある反論が求められる。
保険会社は約款に従って賠償金を支払うため、個人で裁判所基準の賠償金を要求しても応えてもらえない。交通事故の示談段階でも、裁判を起こすにしても、賠償金額を増やすには弁護士へ依頼すると良い。
交通事故の示談前に加害者が失踪した場合には、損害賠償請求することは難しくなるが、加害者側に保険会社がついていれば、保険会社に引き続き請求できる。
保険会社と示談交渉で納得できる回答がもらえず裁判と言われた場合、弁護士を通じて交渉した方が有利に進められる。