保険会社が裁判で争うと言ってきた場合どうすれば良い?
【質問】
会社からの帰宅途中で横断歩道を歩行中に、左折してきた自動車に巻き込まれる事故に遭いました。
右足を骨折したため2カ月入院をして半年間通院後、症状固定したのですが、保険会社と示談交渉でもめています。
自分なりに裁判の判例や交通事故に関する書籍を読んで、保険会社と交渉をしているのですが、保険会社が提示する金額と私が計算した金額とでは3倍以上の開きがありました。
保険担当者とは示談交渉を重ねてきましたが、最終的には保険会社の方から「これ以上は裁判で争うことになります」と言われました。
私としては裁判までは考えておらず、なるべく話し合いだけですませたかったため、どうしたらよいか悩んでいます。
保険会社が言うように、弁護士を雇ってまで裁判をした方が良いのでしょうか?
それとも、大幅に譲歩して示談に応じる方が良いのでしょうか?
【回答】
交通事故の示談交渉を保険会社とする際には、各保険会社が内部で定めている上限を超える請求の場合には、「裁判してください」と保険会社から言われることがあります。
保険会社が内部で規定している上限は、裁判所の基準よりもはるかに低いことが多く、一般の方が裁判所の判例基準で請求をしても承諾することはありません。
保険会社からすれば、「裁判と言われれば、ほとんどの一般人はあきらめて示談に応じるから、裁判となった人にだけ裁判所の判決での金額を支払えば良い」という方針なので、一般人が示談交渉を重ねてもある一定額を超えることはありません。
そのため、保険会社の担当も勝手に、内部規定の上限を超えて保険金の支払いをするわけにもいかないため、会社が納得する「裁判での請求にしてください」と言う他がないという理由があります。
では、本当に裁判をしなければ、判例基準に近い金額が受け取れないかというとそうでもありません。
弁護士が示談交渉を行えば、裁判をするまでもなく判例基準に近い保険金を支払うことがほとんどです。
これはなぜかというと、弁護士は法のプロであり裁判も辞さないこともあるため、保険会社の方も「弁護士が介入して、裁判となって判例基準の支払いをしなければいけないのであれば、示談で済ませておけば裁判費用が掛からなくて済む」と考えるためです。
もし、保険会社の示談金額に不満があり、弁護士費用のことを考えても大幅な上昇が見込める場合には、素直に弁護士に依頼をする方がいいでしょう。
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軽傷であった交通事故の示談では、弁護士に依頼することで入通院慰謝料を弁護士基準まで引き上げて増額できる可能性がある。費用の詳細はケースバイケースで弁護料は弁護士によるので比較検討が必要となる。
弁護士に交通事故の示談交渉を任せても、示談交渉の場に依頼主が同席することは可能であるが、事前の打ち合わせが重要となってくる。
交通事故で保険会社との示談交渉が進まない場合に、加害者に直接連絡をしても法的に問題はないが、損害賠償金を支払うのは保険会社なので効果的ではない。
交通事故の示談を他人に任せることはできるが、様々な問題が発生する可能性があるため、法律と示談のプロである弁護士に示談を任せる方がいい。
交通事故の示談を弁護士に依頼している場合には、裁判となった場合でも弁護士に任せて出廷しないことも可能である。