交通事故に遭い自家用車で通院した場合、交通費はどうなる?
【質問】
2カ月前に交通事故に遭い、1カ月間入院したのちに、退院後も通院を続けています。
保険会社からは「交通事故による治療費は全額支払うが、交通費に関しては公共交通機関を利用した金額になります」と言われました。
私の住んでいるところは交通の便が悪く、病院に通うのにバス・電車・バスと二回乗り継ぎをしなければなりません。
初めの2週間はバスと電車を乗り継いで病院に行っていたのですが、その後は自家用車で通院をしています。
病院への公共交通機関を使った交通費は、往復1,520円かかります。
自宅から病院までは片道20kmですので、自家用車の燃費からすると往復で4リッターくらいになります。
そのため、自家用車で行ったほうが早い上に、交通費の半分くらいのガソリン費で病院に通うことができます。
保険会社に交通事故の通院のための交通費を請求する際には、公共交通機関の交通費を請求するか、ガソリン代を請求するのかどちらになるのでしょうか?
【回答】
交通事故による交通費は、保険会社からは「実費」が支払われます。
交通事故における交通費の実費は、公共交通機関によるものになります。
バス・電車・バスで交通費が1,520円かかるとしても、そのルート以外に自宅から病院に行くことができないなど、相応の理由があれば認められます。
公共交通機関による運賃が基準となるため、交通事故による骨折のために歩行が困難などの事情がなければ、タクシー代は基本的に支払われません。
タクシーを使用したとしても、公共交通機関による運賃が上限となります。
では、自家用車を使用して通院した場合の交通費はどうなるのかと言うと、1kmあたり15円が支払われることになります。
往復で40kmならば、1回の通院につき15円×40Km=600円が支給されることになります。
質問者様の場合、公共交通機関を使った場合には1,520円、自家用車の場合は600円となるため、差額が920円生じることになります。
では、保険会社には「公共交通機関を使って通院している」と言って、実際は自家用車で通院して差額を儲けていたらどうなるかというと、詐欺に当たるためお勧めできません。
そのため、保険会社に「初めの2週間は公共交通機関で通院していたのですが、乗り継ぎや待ち時間が多いので自家用車で通院しているのですが、交通費の請求はどうすればいいですか?」と問い合わせすることをお勧めします。
多くの保険会社は、「初めの2週間の分は公共交通機関の運賃で、それ以降は自家用車での計算をしてください」と返答すると思います。
稀に、「自家用車で通院した回数が少ないのならば、そのまま公共交通機関の運賃で計算してください」と言うこともありますので、保険会社の指示に従うのが無難です。
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交通事故の過失割合は、交通事故の状況別の基本過失割合があり、それを基礎として当事者間の話し合いにより増減する。
交通事故で自動車の修理が必要になり、代車を借りた場合は費用を請求することができるが、長期間であったり、代車費用が高額すぎる場合には費用を減額されることもある。
交通事故調査会社の報告書は裁判でも証拠能力があるため、事実と異なる内容が書かれている場合は、弁護士に依頼をして再調査をしてもらった方が良い。
交通事故の後遺症により自宅のリフォームが必要になった場合には、保険会社からリフォーム代が支払われるので、リフォーム前に保険会社の了承を得ておく方が良い。
交通事故の通院には通常、公共交通機関を使った費用が支払われるが、歩行が困難などの状態であれば、タクシーの利用が認められることがある。