交通事故で保険会社から言ってきた補償金額は正しいですか?
【質問】
1年半前に散歩中に交通事故に遭い、半年間入院した後も通院をしています。
交通事故により手足に麻痺がある障害が残ってしまい、交通事故当時勤めていた会社も退職せざるを得なくなり、現在は失業保険と貯金を切り崩して生活をしています。
先月、加害者側の保険会社から症状固定をしてくださいと言ってきて、病院側も症状固定に妥当な時期と言ったため、症状固定をしました。
そうすると保険会社から連絡があり、保険金の金額を言ってきました。
保険金額は500万円ほどで、正直高いのか低いのかわかりません。
私は親兄弟がおらず、夫も若くして亡くし、子供もいないため頼れる人がおらず、誰にも相談できずに困っています。
また、この先仕事も出来ないかもと思うと、将来的に500万円では到底生活が出来ないため、不安がいっぱいです。
ですが、現在貯金を切り崩して生活しているので、早く保険金をもらいたいというのもあり、ものすごく悩んでいます。
【回答】
交通事故の場合、過失割合や事故状況により支払われる損害補償金額(一般的に言われる保険金)は、各々違ってきます。
しかし共通して言えるのが、「保険会社が提示してきた損害補償金額は低い」ということです。
これは、交通事故を専門としている弁護士からすると当たり前の知識で、「保険会社と交渉しているけれども損害補償金額が低い」と相談してきた方で、裁判の判例などと照らし合わせて適正な金額なのは数%です。
この数%の相談者は、自動車保険の知識が豊富な方か、自分で粘りづよく保険会社と交渉した方であったりと、一般の人にはほとんど該当しません。
質問者のお話を聞くと、「3か月の入院治療・3か月のリハビリ入院。その後1年の通院で、後遺症のある状態で症状固定。後遺症を起因として失職」と、損害賠償請求に該当する項目が多数あるのが分かります。
もし、本格的に調査をすれば請求漏れ(もしくは保険会社が故意的に黙っている)や計算基準が誤っている項目が見つかると思いますので、現在保険会社から提示されている損害賠償請求額は増額すると思われます。
後遺障害の度合いにもよりますが、3~5倍の増額も考えられますので、補償内容を一度精査した方が良いでしょう。
しかし、正しい補償金額の算出には、自動車保険の知識とともに、自動車事故の損害賠償請求の判例などの知識も必要となるため、弁護士に相談した方が良いでしょう。
保険金額の再計算だけならば無料もしくは安価で行っている弁護士もいるため、その金額を見てから依頼することも出来るので、早めに相談してみてください。
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保険会社との交通事故の交渉の途中で、弁護士を交代させることはできるが、解雇する時に違約金が発生することもあるので注意をしなければいけない。
交通事故に遭った被害者は、慰謝料の増額を図り、その他の対応を任せるためにも、弁護士を雇う事が多い。弁護士に依頼する際にかかる費用は様々で、その詳細を知っておくと、判断しやすくなる。
ひき逃げのような悪質な交通事故では、その事実を証明できれば慰謝料を増額する交渉は可能である。弁護士基準での増額の交渉を個人で行うのは難しいので、弁護士の知恵を借りるべきである。
交通事故の刑事記録とは、交通事故の状況を捜査した実況検分書や被害者・加害者などの証言をまとめた供述調書が主であり、検察庁に開示・交付を申請する必要がある。
病院を変えるのは基本的にはできるが、治療内容や医師が変わることにより後遺症認定が困難であると保険会社が判断した際は、治療が支払われなかったり、反対されることがある。