交通事故の示談で雇った弁護士を交代させることはできますか?
【質問】
交通事故の示談を、知人から紹介された弁護士に依頼しました。
しかし、交通事故の示談に慣れていないようで、保険会社との書類の行き違いが起こったり、連絡が欲しいと言ってもなかなか連絡が来なかったりと、不信感が募っていました。
そんな時に私が希望していた損害補償金額とは程遠い、示談書を持ってきたため問いただしたところ、「この金額でしたら1カ月以内に振り込むと言われたので、この金額で示談してもいいんじゃないですか?」と他人事のように言われたため、頭にきました。
今までもミスが多かったのですが、知人の紹介でもあったため我慢していたのも限界で、もう任せられないと思ったのが正直なところです。
今の弁護士を解雇して、新たに別の弁護士を雇って保険会社との交渉を交代させようと思うのですが、一度頼んだ弁護士を解雇することができるのでしょうか?
また、弁護士を交代させる場合には、保険会社にも弁護士が交代するという連絡をしなければいけないのでしょうか?
【回答】
交通事故で保険会社の交渉中であっても、担当弁護士の交代をさせることができます。
弁護士の力量不足・弁護士の対応に問題がある・弁護士への信頼感がなくなった・弁護士がこちらの意見を聞いてくれない・弁護士の成功報酬が異常に高いなど、様々な理由から交渉の途中で弁護士を交代させる方もいますので、質問者様の場合も交代することは可能だと思われます。
しかし、今の弁護士に依頼した際に、報酬などについて契約書を交わしているはずですので、途中解約に関する条項を確認する必要があります。
多くの場合、それまでにかかった実費のほか、違約金の支払いが発生するため、安易に弁護士の交代をすると、大幅な損となる事があるので注意が必要です。
弁護士を交代する場合には、新たに雇用した弁護士の方から保険会社に連絡をしてくれるため、依頼人から保険会社への連絡はとくにはいりません。
ただし、新たに雇用しようと考えている弁護士には、現在の状況を説明する上でも、今の弁護士の事は詳しく話しておく必要があると言えます。
弁護士同士の仲が良好である場合には、弁護士間で引継ぎが出来る可能性もあり、そういった場合には交代をしてもスムーズに進むことがあります。
交通事故の交渉は、弁護士により大きく結果が変わることもあるので、現在の弁護士に不満があるのでしたが、一度別の弁護士にも相談をしてみた方が良いかもしれません。
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交通事故の示談を他人に任せることはできるが、様々な問題が発生する可能性があるため、法律と示談のプロである弁護士に示談を任せる方がいい。