交通事故によるむち打ち、検査方法はどんなものがある?
交通事故の受傷でむち打ちはよくある症状であるため、病院に行って「昨日、交通事故で車に追突されたのだが、首が痛い。」と医師に告げれば、ほぼむち打ちの診断がされます。
そもそもむち打ちと言うのは、『身体に何らかの衝撃が加わり、首に痛みがある状態』を指すため、めに見えて大きな外傷があったり、通常のむち打ちではありえない麻痺があったり、過大な痛みが無い限り、『むち打ち』というくくりで診断されます。
むち打ちの多くは首の筋肉の損傷が原因であるため、足首や手首のねん挫の様に安静にして、数日から数週間経て筋肉の損傷個所が修復すれば完治します。
そのため、数日から数週間で完治した首の痛みを『むち打ち』と診断して、示談することは問題がありません。
しかし、問題があるのが『数週間経過しても、首の痛みが完治しない』ケースです。
交通事故の被害者からすれば、実際に首に痛みがあるにもかかわらず、加害者側から『嘘ではないか?』と疑われるため、示談以前に治療費の支払いでもめることがあります。
医師から『むち打ち』の診断が出ていればよいのですが、患者自身の痛みの自己申告によるものであると疑う余地が出てくるため、むち打ちの検査が必要となってきます。
むち打ちの検査の種類
むち打ちの検査の種類はいくつかあり、一番オーソドックスなのが『レントゲン』・『CT』・『MRI』といった画像診断です。
むち打ちの多くは筋肉の損傷なのですが、画像によっては筋肉の断裂がわかるものもあり、診断の大きな手掛かりとなります。
また、むち打ちは首の痛みであるため、筋肉の損傷ではなく、神経節の圧迫や断裂、頸椎のひびや骨折・変形がレントゲンなどで見つかれば、単なる『むち打ち』ではなく、『神経圧迫』などの正式な病名が付きます。
このような画像診断で異常がないにもかかわらず痛みがある場合には、神経の検査が行われます。
神経が緊張して筋肉が収縮しっぱなしになっている疑いがある場合には、筋肉の収縮度合いを見る筋萎縮テストが行われます。
また、表層筋に異常がみられない場合には、より内部の筋肉を調べる深部腱反射テストが行われます。
これらの神経検査でも異常がみられない場合には、脳波検査が行われることもあります。
脳波を検査することによって、『脳が痛みを感じている脳波が出ている』など、神経の何らかのトラブルにより、首に異常がみられなくても脳が痛みを感じている証明が出来るケースもあります。
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医学的な画像診断が得られないむち打ちの場合、神経学的検査が行われることもあるが、絶対的な検査方法ではない。
交通事故によるむち打ちの検査方法は多数あるが、一番重要視されるのは深部腱反射検査であり、この検査を受けている方が有利となる。
むち打ちを簡単に後遺障害認定してもらうことは難しいが、積極的に通院して、事故の直後と最近の画像診断を用意するなどすれば、後遺障害を認められる可能性が高くなる。
むち打ちの症状が長引く原因としては、筋肉組織の重傷、骨の損傷・神経組織の損傷などが考えられるので、MRIを主体とした精密検査をする必要がある。
むち打ちを後遺障害として認定してもらいたい場合は、故意に症状を誇張していると思われないように、画像診断や検査結果などの客観的な証拠を用意すると良い。