むち打ちを証明するための検査方法はどんなもの?
交通事故のむち打ちで、加害者や加害者の保険会社と被害者の間で争点となるのが、「本当にむち打ちなのか?」と言う事です。
むち打ちは、頸部の筋肉組織や神経の損傷によるものが多く、筋肉繊維や神経の細さが髪の毛ほどのものもあり、レントゲンやMRIなどの画像に映らないこともあります。
そういったこともあり、本当にむち打ち症状があるか、詐病なのか診断を下しにくいと言ったことがあります。
そのためか、以前は「交通事故に遭った場合には、むち打ちになったと言っておけば保険金が下りる」と言われていましたが、今はむち打ちかどうかの検査方法はレントゲンだけでなく、複数の方法があり、精度の高い物もあります。
これらの検査方法により、むち打ちの症状を訴えながら認められなかった人も、むち打ちと認められるようになりました。
現在、かかっている医師がむち打ちと認めない場合には、これらの検査を行ってくれる病院に転院した方が良いかもしれません。
むち打ちの検査方法にはどんなものが?
簡易的なものと知られているのが、握力テストです。
むち打ちがある場合には、握力が著しく低下したり、左右の握力が大きく違うことがあるので、一つの目安とされます。
しかし、これは被験者が力加減することによって不正することも出来るため、これのみを重要視することはありません。
深部腱反射検査は、太い骨につながる腱を打診して、その反射を診る検査手法です。
通常、筋肉が軽く弛緩した状態でひじなどのポイントをゴムハンマーでたたくと、反射神経により一瞬遅れて筋肉が縮むのですが、神経に異常がある場合には反応がないため、神経の異常があることが分かります。
叩く腱によりどこの部位で神経の異常が起きているかわかるため、どの神経がむち打ちの症状を起こしているか特定することができます。
また、被験者の意思と関係なく、反射神経によりこの反応が出るため、医学的な検査としては有効とされています。
他にも、痛みやしびれの感覚の検査に、スパーリングテストやジャクソンテストがあります。
簡単な説明ですと、スパーリングテストは医師が頭部を手で持って頸部などの患部を曲げた際に、痛みやしびれがあるか診る検査方法です。
反対に、ジャクソンテストは頭部を持っている手を放して、曲がった頸部が戻る際に痛みやしびれがあるか確認する検査方法です。
しかし、痛みやしびれの具合に関しては被験者の自己申告になるため、握力検査と同様に単体の検査では重要視されません。
そのため、むち打ちの検査では深部腱反射検査が、最も重要視されることになります。
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むち打ちの検査は、レントゲンやCTなどの画像診断のほかに、筋萎縮テストなどの神経検査や脳波検査がある。むち打ちが長引くようであれば、画像検査のほかの検査を受けるとよい。
医学的な画像診断が得られないむち打ちの場合、神経学的検査が行われることもあるが、絶対的な検査方法ではない。
むち打ちの症状が長引く原因としては、筋肉組織の重傷、骨の損傷・神経組織の損傷などが考えられるので、MRIを主体とした精密検査をする必要がある。
むち打ちを簡単に後遺障害認定してもらうことは難しいが、積極的に通院して、事故の直後と最近の画像診断を用意するなどすれば、後遺障害を認められる可能性が高くなる。
交通事故によりむち打ちとなった場合、むち打ちが完治するまで治療を続けると治療費が増えるので、治療を終えるまでは損害賠償請求ができない。