死亡事故と綿密に関係してくる生命保険について

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死亡事故

死亡事故により生命保険が支払われる際の注意すべき点

死亡事故3

交通死亡事故の保険と聞くと、自賠責保険や民間の自動車保険を思いつきますが、被害者が生命保険に加入している場合には、綿密に関係してきます。

死亡事故で支払われる自賠責保険や民間の自動車保険からの保険金に関しては、死亡事故の法定相続人が保険金を受け取る権利を有します。
仮に保険会社から6000万円が支払われ、法定相続人が妻と子ども2人の合計3人だった場合、法定割合ならば、妻が3000万円、子が1500万円を受け取ることができます。

しかし、これは基本的な法にのっとったもので、「妻が全額受け取る」「子どもAが4000万円、子どもBが2000万円受け取る」など、相続人同士が同意をすればどのように分けることも出来ます。
死亡事故の保険金は非課税であるため、死亡事故の被害者が自宅など分割をしづらい遺産が別にある場合などには、自動車保険から支払われる保険金で遺族同士が調整するというのも一つの手段です。

受取人が指定される生命保険

一方で生命保険は、契約時に受取人が指定されています。

死亡事故で受け取れる保険金とは別に、生命保険からの死亡保険金が支給されるため、場合によっては他の相続人と著しく金額の格差を生じることがあります。
判例では「著しく格差を生じる場合には、支払われる保険金も遺産としてみなし、法定相続人で分割する」というものがありますが、「著しく」の定義がケースバイケースで、5000万円の格差があっても、長年連れ添った妻が受け取る場合などは、そのまま生命保険の受け取りを認める判決もあります。

自動車保険と生命保険の保険金の大きな違いに、「税金がかかるか否か」ということがあります。
前述のように、自動車保険の保険金は「損害賠償」という側面から税金はかかりませんが、「生命保険」の死亡保険金は契約者の資産であるという考えから、所得税・相続税・贈与税のいずれかが課税されます。

「生命保険が受け取れるので、自動車事故の保険金は子どもが受け取ればいい」といった場合、意外と相続税がかかり母と子で相続の不均等が起きることもあり得ますので、別途生命保険を受け取る場合には、よく確認をしておいた方が良いでしょう。

ごくごくたまにあるのが、生命保険の死亡保険が交通事故などの不慮の事故であった場合に増額するものがあるのですが、それに気づかずに通常の死亡診断書を提出して、病死などの死亡保険金額で受け取ってしまうケースです。
死亡保険金が数百万円である小口の保険などでは、手続きが簡素化されているものもあり、交通事故証明の提出を忘れてそのままということもありえるため、かならず生命保険会社には「交通死亡事故で、死亡保険金の請求をしたい」と伝えましょう。

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