遷延性意識障害患者を自宅介護した際に請求できる賠償金とは
交通事故に遭って遷延性意識障害を負った場合、ご遺族は施設介護か自宅介護かの選択を迫られることになります。
注目点になるのは施設介護と自宅介護では後者の方が将来介護料が高額になることです。
相手方の保険会社は賠償金額を下げたい意図があり、施設介護を主張してきます。
ただ、この主張をそのまま受け取る必要はありません。
遷延性意識障害患者を自宅介護をしていける環境が整っているのなら、自宅介護を選択したいと思うのは当然です。
ただ、自宅介護の蓋然性を主張、立証する必要があります。
また、今現在は遷延性意識障害患者の在宅介護を行うべく環境が整っていないものの、リフォーム工事をして対応していきたいと考える場合もあるでしょう。
この場合のリフォーム工事費用についても賠償金として加害者側に請求できます。
施設介護を選択すればその施設に介護を一任できるため、仕事などの都合で自宅介護を選択できない場合に適しているといえるでしょう。
自宅介護を選択した場合は介護をしていくにあたっての費用も加害者側に賠償金として請求できます。
まずはどちらを選択すべきかを考え、自宅介護を選択する場合は特に弁護士に依頼するのが望ましいです。
将来介護料の主張と立証が肝心
自宅介護を選択した場合は訴訟において将来介護料の主張や立証が肝心となります。
一生涯自宅介護を選択するのなら、当然ながらかかるお金も莫大なものとなります。
加害者側に請求して少しでも多くの賠償金を獲得することが大切です。
ただ、将来介護料の主張や立証をしていくにあたってはご遺族だけの対応では不十分になりかねません。
交通事故訴訟に精通している弁護士を選択し、客観的に自宅介護をしていけると証明しないといけません。
しかし、自宅介護を選択した場合は24時間ヘルパー任せにはできないです。
ヘルパーは医療行為が認められておらず、爪切りや痰の吸引などはご家族で対応する必要があります。
緊張が解ける時間が非常に少なくなるのは容易に想像できるため、単純な賠償金額差だけに目を奪われることなく、総合的な判断をするのが肝心です。
施設介護をした場合の診療点数の関係等から転院を強いられる場合があるという点も見逃せません。
遷延性意識障害は基本的に現状維持をしていくのがやっとで、回復することは難しいです。
客観的な判断をしていくにあたって、弁護士の存在が大きくなるため、依頼をするかどうかは別として、まずは相談をしてみるのがよいでしょう。
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遷延性意識障害患者を自宅介護する場合、家族だけが介護をするのではなく、職業介護人を用いてする方が負担が軽くなり、費用は加害者側に請求することが出来る。
交通事故の加害者側に、遷延性意識障害患者の自宅介護の費用を請求するには、患者家族がクリアしなければいけないハードルがいくつかある。
遷延性意識障害の患者を自宅介護する際にはヘルパーの存在が欠かせないが、多くの場合雇い入れる費用は自己負担である。
交通事故で家族が遷延性意識障害となった場合、損害賠償の請求においていくつか意識すべき点がある。特に、将来の介護費用と自宅の改装費用については軽視せず、じっくり検討すべきである。
交通事故で遷延性意識障害を負った場合には、施設介護か自宅介護のどちらを選択するか考えるべきである。弁護士を交えて決めた方が後に後悔しない選択になる。