遷延性意識障害患者の将来の移動費用は請求できる?

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遷延性意識障害

遷延性意識障害患者の転院にかかる移動費用の請求について

遷延性意識障害1

意識が戻らない遷延性意識障害を交通事故等で受傷してしまった場合、加害者側への損害賠償請求において、いくつかの点で意識しなければならない事があります。
まず、現在の医療制度を把握する事が大切です。
遷延性意識障害のように寝たきりとなってしまう患者、他には急性期を過ぎた高齢者などに関しては、3ヶ月以上入院できないという事が決まっています。
これは、3ヶ月を経過すると入院医療報酬が減る事が関係しており、言い換えるならば医療期間に対する注意勧告に近い処置でもあるでしょう。
被害者の家族は3ヶ月ごとに転院先を見つけなければならず、優先度が非常に高い事項と言えます。

そこで浮上するのが移動に関する問題です。
遷延性意識障害の患者は、その多くが寝たきりであるため、その状態で移動しなければなりません。
そうすると、寝台車が求められますし、救急車を利用するのが中心となります。
多くの場合、民間の救急車が使われますが、移動費用の心配があるのです。

民間の救急車は専門性が高く、料金は高めに設定されています。
民間会社からの被害者の出発地点、そして出発地点から目的地など、すべての移動距離に費用が発生しますし、看護師や介護士にも同乗してもらわなければなりません。
1度利用するだけで5万円近くの費用がかかる事も多く、単純に計算しても年間4回利用しなければならなくなるのです。

将来の移動費等を考慮して慰謝料の請求を

加害者側の保険会社と示談交渉を行う際には、将来的な移動費を考慮した上での交渉を行い、増額を図る事が大切です。
この、3ヶ月ごとに転院しなければならない部分を軽視してしまうと、決して安くない移動費用を負担として抱えなければならなくなります。

また、移動費用だけではありません。
例えば、遷延性意識障害患者の介護をしなければならない、そのために介護士を雇ったり、家族が時間を割いて介護をしたりするという場合にも、介護費用を請求できる場合があります。
そのため、交通事故の被害者となり遷延性意識障害を負ってしまった場合、示談交渉の判断は急いではいけないものなのです。

より正確な金額を算出するためにも、弁護士に依頼するのが安心でしょう。
もし被害者が仕事をしていたのなら、逸失利益を算出するなど、複雑な計算をした上での損害賠償請求も必要となります。
諸々の交渉や手続きを総合して考えると、ご家族が個人で対応するよりも、専門家である弁護士に依頼する方が安心だと考えられます。

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