脊髄損傷なのにむち打ちと言われてしまった場合には

交通事故による怪我では、脊髄損傷のほか、頸髄損傷も多発します。
良く似た病名で、脊椎損傷、頸椎損傷も、同じく交通事故で発生する頻度の高い傷病です。
脊椎と頸椎は骨を表しており、脊髄と頸髄はその骨の中を通っている中枢神経を表します。
つまり、脊椎損傷と頸椎損傷は骨をいためたことによる病気、脊髄損傷と頸髄損傷は、神経を傷めたことが原因の病気ということです。
これに対してむち打ちは、外部から強い圧力がかかったことが原因で、首の筋肉が大きく揺さぶられて首の周辺のやわらかい組織がダメージを受けた状態を表しています。
つまり、筋肉が外力によりねんざした状態で、重度のむち打ちの場合は骨折を伴うこともあります。
損傷した部位は中枢神経まで到達していないという点で、むち打ちと脊髄損傷はまったく異なる病気と断言できます。
脊髄損傷とむち打ちでは後遺障害等級が異なる
脊髄損傷は最重度で、後遺障害等級では自賠責保険が定める等級で別表第一1級1号となります。
それ以外では、2級1号、別表第二3級3号、5級2号、7級4号、9級10号、12級13号のいずれかに該当します。
それに対し、むち打ちによる後遺障害等級は12級か14級が一般的であり、申請したが認定されないこともしばしばあります。
加害者側の保険会社としては、後遺障害の程度として軽度なむち打ち症とみなして話し合いを進めたいという心づもりがあるでしょうが、脊髄損傷とむち打ちでは、損害賠償金額が大きく異なるので、妥協せず正当な賠償金を請求してください。
賠償金をいくら請求したら良いか悩んでいるという方は、弁護士に依頼して話し合いを進めることをお勧めします。
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脊髄損傷に限らず、後遺症の残る交通事故の怪我は、いつ症状固定をするかが非常に重要である。症状固定後は保険金が支払われ、治療費の補償が終了するため、時期を正しく見極めて対応するのが望ましい。
交通事故が原因で脊髄損傷を負った場合、精度の高いMRI画像を撮影する、神経学的検査を受けるなどして、納得のいく後遺障害等級を認めてもらうべきである。
脊髄損傷では麻痺がある部分に痛みやかゆみなどを感じる幻肢痛という症状が出ることが多くあるため、幻肢痛で日常生活に支障が出る場合にはその分を含めた損害賠償請求をした方が良い。
脊髄損傷になったら、精度の高いMRI画像を撮影する、神経学的検査を受けるなどして後遺障害診断書に添付する証拠を集め、納得のいく後遺障害等級を認めてもらうのが望ましい。
脊髄損傷であっても麻痺などの症状がない場合には、後遺障害認定を受けることは困難である。
