脊髄損傷となる原因にはどんなものがある?
脊髄損傷になると、手足のまひや知覚障害が起きるほか、排尿、排便の障害や勃起不全を起こすこともあり、健全な日常生活を送ることが困難になります。
生活習慣病は、食生活や適度な運動を心がけることにより発症するリスクを下げることができますし、遺伝的要素のある病気は、家系的に発症の不安を抱える人は定期的に検査を受けるなどして病気の早期発見と治療に努めることが可能です。
しかし脊髄損傷は、誰でもある日突然発症する可能性のある病気という点が他の病気とまったく異なります。
というのは、脊髄損傷は、脊髄に強い外的圧力が加わった場合に発症する病気だからです。
そのような危険な場所には行かないように日頃心がけているという人でも、脊髄損傷になる可能性は否定できません。
なぜなら、脊髄損傷の原因第1位は交通事故で、実に日本における脊髄損傷患者の約半数は、交通事故が原因です。
その他にも、脊髄に強い圧力を加える行為はあります。
スポーツは、競技種目によっては、高い脊髄損傷の発生率があります。
日本では、水泳で誤った飛び込みをして脊髄損傷になるケースが多くみられます。
飛び込みにおける受傷は、プールだけでなく、海や河川へのダイビングでも報告があります。
今までダイビングをして問題がなかった場所が、大雨や台風で海底や川底の石が移動して浅くなったために頸部を強打して脊髄を傷めることもあります。
その他、高いところから転落する危険を伴う器械体操やトランポリン、激しい転倒をすることのあるスノーボード、選手と選手が激しく接触する機会の多いラグビーやアメリカンフットボール、レスリングなどが、脊髄損傷を発症する危険度の高いスポーツです。
血流が原因の脊髄損傷
脊髄損傷は、血液の流れが途絶えることが原因となり発症することもあります。
脊髄の神経は、血液中に含まれる酸素を取り入れて活動しているので、人間の体の他の部位と同じく血液を必要としています。
脊髄に血液を送っているのは、主に大動脈から枝分かれした血管で、脊髄前部に血液を供給しています。
この血管に障害が起きて血流が途絶えると脊髄の前部が支配する領域に障害が現れますが、脊髄後部が支配する領域には障害が現れません。
すなわち、脊髄前部が支配する足にまひやしびれが起きるものの、脊髄後部が支配する触覚や位置感覚には異常がみられません。
障害は、脊髄に血液を供給する血管が閉塞された部位より下に現れます。
交通事故が原因で脊髄損傷となった場合、後遺症により健全な日常生活を送ることが困難となり、自ら示談交渉を行うのも困難となりますので、示談をする前に弁護士に相談をして、将来を見据えた示談交渉を行うとよいでしょう。
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脊髄損傷の治療で、保険を適用して再生医療を受ける場合には、期限や条件があるため、治療を希望する場合には速やかに手続き等を進める必要がある。
脊髄損傷の入院期間は、国が定めた規則により例外と認められない限り6カ月を超えると入院基本料の15%が自己負担になるため、ほとんどの人が6カ月以内に退院する。
脊髄にかかる衝撃が保護している範囲の限界を超えると脊髄を構成する神経が傷ついて脊髄損傷になる。脊髄損傷となった場合には、まずは弁護士へ相談するのが望ましい。
交通事故で下半身麻痺の脊髄損傷を負った場合、車いすの購入費用を加害者側に請求できるが、購入前にいろいろと試してから購入した方が良い。
交通事故での脊髄損傷の診断書は、医師しか作成できないため、患者は医師と日ごろから円滑な連携をとる必要がある。