社有車で勤務時間中の交通事故で、会社から保険を使わせないと…
【質問】
私は営業の仕事をしているのですが、主に社用車に乗って県内の得意先回りをしつつ、新製品の売り込みをするような業務内容です。
その日もいつも通り、社用車に乗って営業回りに出たのですが、信号無視をした自動車と交通事故を起こしました。
自動車の方は修理が必要で、私自身もむちうちの症状が出ていて、相手方も自動車が大破した上に、入院したそうです。
会社の方に交通事故の報告をすると上司から、「自動車の修理費用は、給料から天引きするから、相手との交渉は自分でしろ。保険は使わせないからな!」と言われました。
勤務時間中で、しかも仕事の一環として運転していたのにもかかわらず、自動車の修理代や相手への補償を、自分が負担しなければいけないことは納得いきません。
社有車には自動車保険が掛けられているのは知っていますし、何より自分自身もむち打ちになり治療が必要であるのに、保険が使えないことはおかしいと思うのですが、上司がそんな態度なので聞くことができません。
【回答】
勤務時間中の交通事故に関して、事故を起こした従業員と会社側で紛争が起こることは良くあります。
交通事故の場合、会社の主張が間違っているにもかかわらず、解雇を恐れたり、法律の知識がなく鵜呑みにしたりして、従業員が大きな負担を強いられることがあります。
まず、自分が運転を誤っての自損事故であれば運転手の責任となりますが、相手方がいるような事故であれば運転手の他に、自動車の所有者である会社が運行供用者責任を問われることがあります。
特に、就業時間内に業務の一環として運転をしていたのですから、会社にも責任を科すのが通常です。
そのため、従業員一人に交通事故の責任や賠償を負わすことは違法と言えます。
自動車保険を使わないことに関して、翌年の保険料が上がることを恐れて、社有車の保険を使わせないと言う事が考えられますが、業務時間中の事故と言う事から自動車保険の使用が相当だと言えます。
また、業務時間内の交通事故によるむちうちですので、労災適用の可能性が高いので、上司ではなく総務部などに相談をした方が良いです。
他にも、自動車の修理費用を給料天引きするとのことですが、労働基準法で会社が給料から損害金などを天引きすることを禁じています。
ご相談いただいた中でも、これだけの矛盾や法律違反があるため、個人で会社に交渉することに限界を感じたのならば、弁護士に依頼をして弁護士から交渉してもらった方が良いかもしれません。
この記事を読まれた方にオススメの情報5選
当て逃げをされた場合、保険を使って修理できないのでしょうか?
車対車の事故で、自動車の修理をする場合は、お互いの保険会社の対物賠償保険を使って修理されるが、当て逃げで相手が分からない場合には、車両保険を使うのが現実的である。
自動車同士の事故の際、片方が怪我を負い、片方が無傷の場合には、怪我を負わせた方にだけ免許に対する行政処分が下されるが、後に症状が出て物損事故から人身事故に変わる場合もあるので注意が必要です。
治療を続けても現状以上の回復が認められない状態をさし、交通事故で症状固定をしてしまうと治療費は支払われないが、 症状固定の状態の後遺症に対する損害賠償金が支払われることになる。
通勤中の交通事故では自賠責のほか労災にも保険金を請求できることがある。状況によるが、一般的には労災へ先に申請して、差額を自賠責へ請求することが多い。
SAPの無保険車傷害保険に加入している場合には、契約車両搭乗時の交通事故のほかに歩行中であっても、無保険車や任意保険ではカバーできない人身傷害に対して補償してくれる。