交通事故の保険金の3つの基準とはなんですか?
【質問】
交通事故で3カ月入院をした後に、現在通院4カ月目です。
実は、交通事故から半年が経った時点で症状固定をして、現在は示談交渉中で、病院には自費で2週間に1度薬をもらうために通院しています。
先日病院の待合室で座っていると、受診のために来ていた高校時代の同級生と偶然会いました。
お互いの近況を話しているうちに、私の交通事故の話になったのですが、同級生から「交通事故の保険金の支払いは3段階あって、保険屋の言いなりだと最低基準になる」と言われました。
びっくりして詳しく聞こうと思ったのですが、私の受診の順番が回ってきてしまい、話はそれっきりになってしまいました。
たまたま会った同級生であったため連絡先を聞いていなかったこともあり、保険金が最低基準しか支払われないという言葉が気になって仕方がありません。
本当に交通事故の保険金の支払いには3段階あって、私は最低基準しか支払ってもらえないのでしょうか?
【回答】
交通事故の保険金の支払い基準は、同級生の方がおっしゃる通り、低い順から「自賠責保険基準」「保険会社基準」「裁判所基準」があります。
自賠責保険は、公道を走る車に対して加入を義務付けていますので、自動車による交通事故の被害者であれば、自賠責保険から保険金を受け取ることができます。
自賠責保険は強制保険であるのと、被害者救済のために広く適用があるため、金額的な面では保険金は低額に抑えられています。
自賠責保険では死亡事故の場合でも最高3000万円、怪我などの治療費の場合は最高120万円であるため、ちょっとした入院であっても自賠責保険の治療費では賄いきれないということになります。
その自賠責保険の保険金の少なさを補完するのが、損害保険会社の自動車保険です。
自動車保険は自賠責保険に2階建てのように乗る保険であるため、自賠責保険よりも支払われる保険金が高い傾向があります。
ですが、自動車保険の内容の多くは「死亡事故時は最高1億円」というように最高で1億円支払うが、全く支払わないということもあり得ます。
保険会社も商売でしていますので、自賠責保険と同じか少しだけ上乗せした金額を相手側に提示することがほとんどで、保険会社基準は自賠責保険基準よりもほんの少し多い程度になります。
1番高額となるのが裁判所基準です。
裁判所は、法律や今までの判例と照らし合わせて金額の判決を出すため、より被害者寄りの判決が出ることが多いです。
そのため同じような交通事故でも、自賠責基準と裁判所基準では数倍の差があり、その差は1000万円単位となることも珍しくありません。
ですので、保険会社が初回に提示してきた示談書に押印するというのは、最低ラインの保険基準であるため、弁護士を雇って裁判をした方がより高額な保険の保険金を受け取ることが出来ます。
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軽傷であった交通事故の示談では、弁護士に依頼することで入通院慰謝料を弁護士基準まで引き上げて増額できる可能性がある。費用の詳細はケースバイケースで弁護料は弁護士によるので比較検討が必要となる。
交通事故の相手が加入している自動車保険が一日自動車保険であっても、普通の自動車保険と同じく保険会社から保険金が支払われる。
個人で保険会社と交通事故の示談交渉をするのには限界があるため、示談交渉がうまくいかない場合には弁護士に任せた方がうまくいく。
交通事故の交渉で、「示談」「調停」「裁判」の違いは、示談は当事者同士の話し合い、調停は話し合いの場に裁判所の調停委員が立ち会う、裁判は文字通り裁判で内容を決めることを言う。
保険会社と示談交渉で納得できる回答がもらえず裁判と言われた場合、弁護士を通じて交渉した方が有利に進められる。