交通事故の後遺障害等級を示談後に異議申立てはできる?
【質問】
玉突き事故に遭いました。
自分は信号待ちで停止しており、後ろに一台車がいました。
そこへノーブレーキの加害車両が後続車に追突し、私の車にもぶつかった交通事故です。
1台挟んでいたものの、ノーブレーキだったのでかなりの衝撃を感じました。
すぐに整形外科を受診、MRI撮影で椎間板ヘルニアの所見を得て、さらに腰椎骨折の疑いとの診断を受けました。
その後治療を続け、足のしびれは何とか治まってきましたが腰の疼痛はなくなりません。
交通事故から半年間経過したため医師と相談して症状固定とし、後遺障害等級を申請したところ、14級9号という結果になりました。
このときには後遺障害等級について色々と調べていたので、「ヘルニアのMRI所見もあるし12級が妥当なのでは・・・」という疑問を持ちました。
しかし、保険金の受け取りを急ぎたかったので14級9号での示談内容で捺印したものの、念のため「示談成立後、後遺障害等級認定に変更があった場合は別途協議する」という文言を示談書に追加しています。
現在も腰の痛みは続いており、自費で通院を続けています。
この状況で改めて後遺障害等級の異議申立てをすることは可能でしょうか。
またその場合、慰謝料上乗せ分の請求はできますか?
【回答】
医師の診断書を確認してみないとはっきりとしたことは言えませんが、後遺障害等級の異議申立てができるだけの所見があれば、さらに陳述を加えることで12級が認められる可能性はあるのではないかと思われます。
認定された場合にはもちろん、後遺障害慰謝料や逸失利益の増額分の請求が可能です。
示談書に別途協議の文言を入れたのは適切な判断であり、もしもこの一文が無かった場合には、いったん成立した示談の再交渉はできません。
14級と12級の認定の分かれ目は、「後遺障害についての医学的な証明ができるかどうか」です。
質問のケースの場合、腰部のヘルニアについてMRI所見が得られており、そのほかの神経学的検査の結果もプラスするとより効果的です。
交通事故後一貫して下肢のしびれや腰部痛が続いていること、交通事故当初の腰椎骨折の疑いを明記し、さらに日常生活や仕事上での不具合、現在も通院を続けている旨も合わせて申立書に記載します。
資料内容が十分であれば、異議申立てて12級13号での認定を目指せる可能性があります。
認定されれば、傷害・後遺傷害部分の示談内容について改めて12級の基準で交渉し、既に受け取っている金額を差し引いて請求することができます。
後遺障害等級の異議申立ての準備や医師への依頼、弁護士基準での賠償額の交渉は、弁護士と一緒でないと難しいと思われます。
弁護士費用特約があれば利用し、なければ一度無料相談で依頼ができるかどうか確認してみてください。
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交通事故で後遺障害等級認定の結果に納得できない場合には、異議申立てを行うことが可能である。必要な資料を準備し直して正当な等級の認定を得ることが、賠償金額に大きく影響する。
交通事故における過失割合で加害者と揉めた場合、加害者の主張が不当であるケースでは、弁護士を介入させ、対処する方法がある。過失割合における口論を個人でまるく収めるのは、容易ではない。
仮に交通事故の示談交渉を弁護士に任せたとしても、保険会社と交渉する場に、被害者が同席する事は可能である。しかし、その場合にはスムーズに事を進めるために入念な打ち合わせが求められる。
交通事故の示談を弁護士に依頼するのに弁護士費用特約を使おうとしたら対象外と言われる事があるが、保険の約款を確認してみると利用できるのに勘違いされていたという事例もあるため注意が必要である。
個人で保険会社と交通事故の示談交渉をするのには限界があるため、示談交渉がうまくいかない場合には弁護士に任せた方がうまくいく。