交通事故で弁護士費用特約の利用対象外と言われたら?
【質問】
妻が仕事先へ出勤する途中、交通事故に遭い寝たきりになってしまいました。
見通しの悪い交差点なのですが、相手の車は40kmほどスピードが出ていて減速しておらず、自転車に乗っていた妻は相手の車がスピードを落とすものと思っていたのか、交差点を渡り切ろうとして渡り切れず、左側から思い切り衝突されてしまったそうです。
突然の出来事に呆然としながらも色々な手続きが過ぎていき、妻は入院中のまま回復の兆候がみられません。
交通事故相手方の保険会社から何度か連絡があり、今後の示談の話などもされ、これからの妻の介護のために慰謝料をもらえるということが分かったので、弁護士に頼んで交渉してもらおうと思っています。
私が契約する保険に弁護士費用特約があったので、これを利用したいと保険会社に伝えると、「今回の交通事故は弁護士費用特約の利用適応外だ」と言われました。
約款で、業務中の交通事故についての依頼は弁護士費用特約の対象外としていると言われたのですが、そんなことがあるのでしょうか。
賠償金も決して少額ではないと思うので、弁護士費用を支払ってでも頼むつもりではいますが、契約していた保険会社の弁護士費用特約が使えるのなら使いたいと思っていました。
このように、対象外と言われるケースは他にもありますか?
【回答】
弁護士費用特約は任意の保険に付随する特約であり、その約款は各保険によって決められたものなので内容を確認してみないと何とも言えません。
が、過去にも同様の事例があったので紹介します。
そのケースでの約款における、弁護士費用特約の対象者についての記述は、
① 記名被保険者
② 記名被保険者の配偶者
③ 記名被保険者の同居親族及び別居の未成年子
④ ①②③以外の者で契約車両に搭乗していた者
⑤ ①②③④以外の者で、①②③が運転する契約車両以外の車両に搭乗していた者。ただし①②③が業務のために運転していた場合は除く」
というものでした。
保険会社の説明では、「業務中の交通事故は対象外と、約款に明記している」、つまり約款の⑤に該当するということだったのですが、よく読むと⑤は①~④以外の者についてのルールなので、対象者が被保険者の妻である場合は②に該当しており、業務中の交通事故であっても特約の対象となります。
このことを改めて保険会社に説明し、弁護士費用特約の適用となった、という例があります。
約款を読み解くのが難しい場合、実際に対象外となるのかどうか判断しかねる場合や保険会社がなかなか納得しない場合、まずはこの件について弁護士に相談して約款を確認してもらったり、対応を聞いてみるといいでしょう。
この記事を読まれた方にオススメの情報5選
個人で保険会社と交通事故の示談交渉をするのには限界があるため、示談交渉がうまくいかない場合には弁護士に任せた方がうまくいく。
仮に交通事故の示談交渉を弁護士に任せたとしても、保険会社と交渉する場に、被害者が同席する事は可能である。しかし、その場合にはスムーズに事を進めるために入念な打ち合わせが求められる。
交通事故における過失割合で加害者と揉めた場合、加害者の主張が不当であるケースでは、弁護士を介入させ、対処する方法がある。過失割合における口論を個人でまるく収めるのは、容易ではない。
交通事故の示談交渉は、当事者が認めるのであれば、他人に任せ、対応してもらう事は可能である。ただし、対価を得る事は弁護士以外禁止されているため、無償で対応してもらう必要がある。
交通事故の示談を他人に任せることはできるが、様々な問題が発生する可能性があるため、法律と示談のプロである弁護士に示談を任せる方がいい。