交通事故で後遺障害等級認定の結果に納得できないときには?
【質問】
交差点で右折矢印のタイミングで進んでいたところ、青信号になったと勘違いして直進してきた対向車と接触してしまいました。
交通事故直後に整形外科で診察を受けてレントゲンやCTも撮ってもらい、頚椎捻挫ということで湿布や痛み止めをもらいました。
次回の通院予約を入れていたのですが、自営業で忙しい時期だったのでどうしても仕事を休むことができず、かといって仕事が休みの日は病院も開いておらず、病院に行けない間、何度か整骨院に通院し治療は続けていました。
交通事故後5ヶ月ほど経過してようやく仕事が落ち着き、整形外科への通院を再開した頃、交通事故相手の保険会社から「症状固定する時期です」と連絡がありました。
症状が落ち着いてきてはいたものの、まだ首の痛み、頭痛やめまい、吐き気がする日もあり、やむを得ず仕事を休む日もあることを伝え、後遺障害等級の認定手続きをしてもらうことになりました。
その結果が先日出たのですが、後遺障害非該当だというのです。
理由は、交通事故直後の病院への通院頻度が低かったため、また、整骨院で治療をしていたため、というものでした。
痛みはまだかなり残っていて非該当の結果に納得できないのですが、何か方法はありますか?
【回答】
後遺障害等級認定の結果に納得できない場合には、異議申立てを行うことが可能です。
はじめの申請が任意保険会社経由であった場合、保険会社に対し申立てることになりますが、加害者の保険会社は被害者の味方ではありません。
保険会社で集めてもらった書類ではしっかりと症状の推移や現状が伝わっていないために非該当となったのですから、異議申立てによって正当な認定を受けるためには、改めて書類を入念に準備し直す必要があります。
交通事故後の通院期間や頻度は、交通事故と症状との因果関係を認めるのに重要な事項です。
因果関係が薄いのではなく、あくまで仕事の都合で通院できなかったこと、整骨院での治療の必要性、整形外科での症状の推移を丁寧にまとめ、現在も残っている症状についてきちんと記した診断書を、改めて作成してもらいましょう。
交通事故直後の画像診断結果も重要ですし、神経学的検査も検討してください。
後遺障害等級認定の結果に納得できない場合、何度でも申立てをし直すことが可能であり、またこの方法のほかに、自賠責保険の共済紛争処理機構に対し異議を申立てたり、訴訟を起こすという方法もあります。
後遺障害等級が確定した後は損害賠償について示談することになりますが、その際の賠償金額は後遺障害が認められるかどうかで全く違ってきます。
今後のことを考え、場合によっては弁護士に相談しながら、しっかり手続きすることをおすすめします。
この記事を読まれた方にオススメの情報5選
交通事故の示談が成立していても、相応の文言を入れていれば、後遺障害等級認定の異議を申立てて、より高い等級で賠償金を増額できる可能性がある。異議申立てにはしっかりした根拠と準備が必要である。
交通事故の示談内容に納得できなければ、示談成立前に被害者請求をして、先に自賠責の保険金を受け取ることは可能である。その後、任意保険へ不足分を交渉すると良い。
通勤中の交通事故では自賠責のほか労災にも保険金を請求できることがある。状況によるが、一般的には労災へ先に申請して、差額を自賠責へ請求することが多い。
保険会社は約款に従って賠償金を支払うため、個人で裁判所基準の賠償金を要求しても応えてもらえない。交通事故の示談段階でも、裁判を起こすにしても、賠償金額を増やすには弁護士へ依頼すると良い。
労災と自賠責の後遺障害等級の認定基準は同じだが、場合により認定結果が異なる。異議を申立てる方がいいかは、交通事故での示談のスムーズな解決や賠償金額など、ケースバイケースで判断すべきである。