示談時に相手が交通事故状況について嘘をついてきたら?
【質問】
昨年5月に四輪自動車同士の交通事故を起こしました。
優先道路から右折してきた相手の車に、わき道から直進しようとしていた私の車が前に出過ぎて衝突し、互いの車が少し凹んだ程度です。
特に怪我はないようで、一応警察に届けましたが、互いの保険会社を通して示談を進めるつもりでいました。
後になって相手の方が首に痛みを感じて、3ヶ月ほど通院治療をしたと聞き、その治療費を賠償金に含めることも、私の方に過失が多いことも覚悟していました。
が、いざ保険会社の担当者から話を聞いてみると、相手の方が交通事故状況について事実とは異なる嘘の主張をしているようなのです。
交通事故当時お互いの車が動いていたのに、示談時に相手の方は「自分の車は右折しようと停車していた。そこに車が突っ込んできた」「9:1(私が9)で納得してほしい」と言ってきたとのことです。
道路状況や車の傷の状態からそんなことはありえないと話すと、「裁判にしてもいい」「目撃者がいる」などと言っているそうですが、具体的なことは言ってきません。
突然そんな嘘をついてくることに困惑しています。
相手の車にも自分の車にもドライブレコーダーはついておらず、水掛け論になっています。
どうすればいいのでしょうか?
【回答】
交通事故について双方の主張がくい違っていたり、交通事故の相手が主張をひるがえして嘘をついてくることは珍しくなく、車の停止については、なかでもよく示談で争われる点です。
このようなトラブルの可能性を考えて、ちょっとした交通事故だと思っても示談に備えてきちんと処理を進めることが大切です。
ドライブレコーダーがないということなので、次に確認したい客観的証拠は警察に届け出た際に作成した書類ですが、物損事故として届け出していると実況見分調書が作成されません。
人身事故の届け出をしておくことで調書が作成され、このようなトラブルになった際に改めて証拠とすることができます。
交通事故現場が大通りや店舗近くであれば、防犯カメラに交通事故映像が残されている可能性があり、所有者に頼んで見せてもらえる場合があります。
現場付近の住民に話を聞いて、目撃証言を映像や書面で準備するという方法もあります。
防犯カメラの映像は一定期間で消去されますし、目撃者の記憶は時間とともに薄れがちなので、こういった行動は早ければ早いほどいいのです。
仕事をしながら、保険会社の対応や嘘を覆すための証拠集めをするのは大変だと思います。
交通事故トラブルを得意とする弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。
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交通事故における過失割合で加害者と揉めた場合、加害者の主張が不当であるケースでは、弁護士を介入させ、対処する方法がある。過失割合における口論を個人でまるく収めるのは、容易ではない。
加害者が加入している保険の上限額が、交通事故による損害額を大幅に超える場合には、保険会社が示談から撤退する可能性がある。
交通事故において、相手の保険会社と示談交渉でスムーズに対応するには、弁護士を雇うのが効果的である。加害者側とのやりとりをするという精神的な不安も軽減できるため、専門家の力を借りるべきである。
交通事故の示談を弁護士に依頼するのに弁護士費用特約を使おうとしたら対象外と言われる事があるが、保険の約款を確認してみると利用できるのに勘違いされていたという事例もあるため注意が必要である。
仮に交通事故の示談交渉を弁護士に任せたとしても、保険会社と交渉する場に、被害者が同席する事は可能である。しかし、その場合にはスムーズに事を進めるために入念な打ち合わせが求められる。