交通事故で負った怪我の通院にタクシーは利用できるの?
【質問】
交通事故で足を骨折し2カ月間病院に入院をしていて、来週には退院を予定しています。
退院をした後は、治療とリハビリのために、入院をしていた病院に通院をする予定ですが、病院に行くのにはバスしかなく、自宅からバス停まで10分近く歩かなければいけません。
退院と言っても骨折が完治したわけではないので、歩くのもかなり困難ですし、バスに30分以上乗らなければいけませんが、バスの中が混雑して座れなかった場合には揺れる車内で立ち続けられる自信がありません。
そのため通院にはタクシーを使いたいと思っているのですが、タクシー代を保険会社が出してくれるのでしょうか?
保険会社の方には退院が決まったことをまだ言っておらず、通院のための交通費について話をしたことがありません。
【回答】
交通事故による通院のための交通費は、基本的に交通機関を使ったものになります。
公共交通機関の場合には領収書は発行されませんので、バス会社や鉄道会社が提示している交通料金に通院回数をかけたものが支払われます。
しかし高齢であったり、骨折などで歩行が困難であったりした場合には、保険会社もタクシーの利用を認めることがあります。
一例では、70代女性が交通事故で左足の膝と足首を粉砕骨折し、プレートとボルトを入れる手術を受けたため、通院するのに歩行が困難であるとして、タクシーによる通院が認められたケースがあります。
質問者の場合には、足の骨折で歩行が困難な事と、長時間のバス移動であることを考えると、タクシーでの移動を保険会社も認める可能性があります。
まだ、保険会社に退院の予定を伝えていないのであれば、早急に退院する旨を伝えて、タクシーの利用が出来るか確認した方が良いでしょう。
その際に、単にタクシーが使いたいと言っただけでは保険会社も了解しませんので、現在の骨折の回復度合いを正しく伝え、バスによる通院が困難である旨を理解してもらうようにしましょう。
必要であれば、医師の所見をもらったり、保険会社の担当が病院に直接、病状の確認をする許可を出したりして、保険会社が病状を確認できるようにするのも良いです。
タクシーの利用許可が出た場合には、必ずタクシーの領収書が必要になります。
領収書をもらい忘れると交通費として支払ってもらえないため、示談交渉するまでは保管して紛失しないようにしましょう。
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交通事故での怪我の治療を中断した後、怪我が悪化して再開した場合には、間が空きすぎていると交通事故との因果関係が否定されて、治療費が支払われないことがある。
交通事故以前から障害があり、交通事故で悪化した場合には、以前からの障害を考慮して差し引いた保険金が支払われるが、完治していた場合には純粋に交通事故で負った怪我として扱われる。
交通事故の被害者が治療を続けていると、一定の時期を迎えた時、加害者側の保険会社から治療終了の打診がある。まだ治療を続けたい意思があるのなら、主治医に相談するべきである。
交通事故で治療をしていて、医師から症状固定をされてしまうと、それ以降の治療費の支払いが保険会社からされなくなる。
交通事故の怪我が原因で入院した場合、被害者は個室を希望される場合が多い。しかし過去の判例からすると、そのほとんどは個室料金の請求が認められていない。