自損した交通事故では、同乗者の妻に保険金は支払われる?
【質問】
3日前に妻を助手席に乗せて買い物に行く途中、ハンドル操作を誤り電信柱に衝突する自損事故を起こしました。
私の方は軽い打撲で済みましたが、妻は足の骨を折るけがを負い、全治3カ月で現在入院をしています。
警察には交通事故として通報をして、事情聴取なども受けています。
任意の自動車保険には加入していますが、自損事故では保険金が出ないと聞いたことがあり、保険会社には連絡をしていません。
しかし、私の治療費はともかくとして、妻の入院費の負担が大きく、保険金が請求できればと思う気持ちもあります。
自損の交通事故で、同乗者が妻の場合、保険金はどこからも支払われないのでしょうか?
【回答】
交通事故では、過失割合が保険金の支払いに大きく関係してきます。
自損事故の場合は、運転手本人の過失が100%であることがほとんどであるため、交通事故の被害者保護を目的とした自賠責保険からは支払われません。
また、任意保険でも自損事故に関する特約がない場合には、運転手に対して支払いはありません。
しかし、その際の同乗者にまで過失があるかという議論になると、「同乗者は運転手の過失に巻き込まれた」というケースがほとんどです。
そのため、自賠責保険では同乗者が運転手の妻といった身内であっても、保険金の支払い対象としています。
しかし、乱暴な運転を煽ったり、スピード違反を承知でスピードを上げるように命令したりという場合には過失があるとされることもあります。
一方で民間の自動車保険では、同居家族など一定範囲内の親族は、同乗で怪我をしても対人賠償保険の保険金支払いは範囲外としています。
ただし、人身傷害補償・搭乗者傷害に関しては、対人賠償保険の範囲とは異なるため、妻であっても保険金の支払い対象となります。
質問者の場合、任意の保険に加入されているということですので、契約している保険の内容によっては保険金が支払われる可能性があるため、早急に保険会社に連絡をする必要があります。
交通事故が発生し、すぐに保険会社に通報しなかった場合、保険金の支払いが遅れたり、最悪保険金の支払いがされないこともあるためです。
また、保険会社によっては自損事故と聞いただけで詳しい内容を聞かずに、保険の支払いが出来ないと返答するところもあるため、契約をしている保険内容を確認の上、自損事故の内容と同乗者の治療費の請求であることを告げて、保険会社と交渉に臨む方が良いでしょう。
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自動車に無償で同乗する好意同乗であっても、近年では好意同乗を理由に同乗者への減額はされない傾向が高い。
軽傷であった交通事故の示談では、弁護士に依頼することで入通院慰謝料を弁護士基準まで引き上げて増額できる可能性がある。費用の詳細はケースバイケースで弁護料は弁護士によるので比較検討が必要となる。
交通事故の被害者は、自賠責保険に直接請求することができる。このことを、自賠責保険の被害者請求と言う。
助手席の人間がドアを開けたことにより起こった交通事故の場合、ドアを開けた人間に責任があるが、運転手も責任を負う事となる。
交通事故の場合、過失割合に沿ってお互いがお互いの損害賠償をしなければいけないため、過失割合が小さくても負担が大きい時がある。