後遺障害認定に不満があるのですが異議申し立てできますか?
【質問】
1年前に交通事故に遭い左ひざを粉砕骨折したため、交通事故以前に比べて歩行がかなり困難となってしまいました。
2カ月ほど前に症状固定したため、後遺障害認定を受ける申請をしたのですが、私が予想していた等級よりも低いものでした。
私としては6級相当だと思っていただけに、8級に認定されたことには納得がいきません。
後遺障害認定に不満があると加害者側の保険会社に伝えたのですが、「後遺障害認定は保険会社が行っているのではなく、自賠責保険の関係団体がしているため中立な判断です。それでも不満があるようでしたら、ご自身で後遺障害認定の異議申し立てをしてください」と言われました。
6級と8級では後遺障害慰謝料だけでも500万円近く違いますし、逸失利益を考えたらそれ以上の金額となるため、簡単にあきらめることができません。
後遺障害認定の異議申し立ては個人でもできるものなのでしょうか?
また、異議申し立てしたとして後遺障害認定の等級が変わる可能性はあるのでしょうか?
【回答】
交通事故で後遺障害が残った場合に、重要となるのが後遺障害認定です。
後遺障害認定の等級が、後遺障害慰謝料の金額に直結しますし、逸失利益を計算する際には後遺障害等級による労働能力喪失率が関係しています。
そのため後遺障害等級のいかんによっては、受け取れる保険金が何百万何千万円と変わってくるため、交通事故で後遺障害を負った被害者にとっては、後遺障害等級は最大の関心事項だと言えます。
後遺障害等級認定の申請は、被害者自身でも、保険会社が代理で行うことも出来ます。
しかし、後遺障害認定は少しでも高い等級を望む被害者と、保険金を抑えたいために低い等級を望む保険会社と、利益が相反する立場の者が申請できるのです。
そのため、後遺障害認定を保険会社に任せてしまうと、往々にして被害者が想像していた等級よりも低い等級で認定されたり、最悪は後遺障害等級自体が認められないということがあります。
後遺障害認定に不満がある場合には、異議申し立てをすることはできますが、異議申し立てで後遺障害認定が訂正される確率は10%くらいですので、非常に困難であると言えます。
後遺障害認定で重要になるのは、医師の診断書のほかに、書類の内容です。
書類の書き方によっては大きく等級が変わることもあるため、より認定を受けやすい内容としなければいけません。
そのため、異議申し立てをするつもりであるのならば、交通事故に詳しい弁護士のアドバイスを仰ぐ方が良いでしょう。
この記事を読まれた方にオススメの情報5選
交通事故の加害者に懲罰的な意味合いを込めて高額な慰謝料請求の裁判を起こしても、今までの判例に準じた判決を下されることが多い。
症状固定した後は休業補償が支払われることはないが、後遺障害認定された場合には後遺障害逸失利益が認められるので、その中に症状固定後の休業補償が含まれていると考えられる。
損害賠償金に関してはもともと非課税との考え方であるため、交通事故の逸失利益の計算には、 税金が引かれる前の額面の収入が用いられる。
無免許運転の自動車と交通事故を起こした場合でも、加害者の車両に任意の自動車保険がかけられているのであれば、その保険会社より保険金が支払われることが多い。
交通事故の被害者は、自賠責保険に直接請求することができる。このことを、自賠責保険の被害者請求と言う。