保険会社の交通事故調査に納得がいかない場合は?
【質問】
2カ月前に自動車同士の交通事故を起こし、事故当初から相手側と過失割合でもめています。
そのため、交通事故から1週間後に保険会社が交通事故調査を行うと連絡がありました。
「交通事故調査をしてくれた方が、正確な事故当時の状況がわかるだろう。そうすれば自分の主張が間違ってないことを証明できる」とその時は思っていました。
しかし、1カ月ほどしてからあがってきた交通事故調査の報告書には、私に不利になることばかりが書かれていました。
しかも、事実とは異なることがたくさん書かれていたため保険会社に抗議したところ、「交通事故調査は保険会社がしたのではなく、交通事故調査会社がしたものですから、内容については保険会社はノータッチです。」と言われてしまいました。
交通事故調査で真実がわかると思っていただけに、報告書の内容はとてもではないですが納得いきません。
保険会社に交通事故の再調査を依頼することは可能でしょうか?
もし応じない場合は、弁護士に依頼して交通事故調査をしてもらった方が良いのでしょうか?
【回答】
交通事故が起こった場合、保険会社はすぐに交通事故の内容の調査をします。
ほとんどの場合で、交通事故の当事者への事故状況の聞き取りと、警察への問い合わせで調査が終わってしまいます。
交通事故の当事者同士がもめた際には、さらに詳細な交通事故の調査が必要となります。
交通事故調査の専門部署を持っている保険会社もありますが、多くの場合は交通事故調査専門会社に外注をしています。
交通事故調査専門会社が調査するならば間違いないかというと、一筋縄ではいきません。
交通事故調査専門会社も商売ですので、調査費用が安い場合などは十分な調査をしないということがあります。
また、交通事故調査会社が中立・公平な立場で調査をするとは限りません。
交通事故調査会社からすれば、保険会社は「定期的に仕事をくれる得意先」ですので、見ず知らずの被害者よりも保険会社に有利な内容にすることがあります。
酷い例では、交通事故調査会社じたいが保険会社の子会社で、社員の役員は保険会社からの天下りであるような会社もあります。
そのため、交通事故調査の内容に不満があり、保険会社に再調査を申し出ても受け入れられることはほとんどありません。
交通事故調査の報告書は、裁判でも証拠として採用されるほどの効力があるため、弁護士に保険会社との交渉を任せ、弁護士に交通事故の再調査をお願いすると良いです。
交通事故に精通した弁護士ならば、自身で交通事故現場を調査したり、中立な立場で調査をしている交通事故調査会社とつながりがあるため、改めてその会社に調査を依頼したりします。
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交通事故の過失割合は当事者同士で自由に決められるが、保険会社が介入している場合には決められた過失割合から大きく外れた示談をすることはできない。
軽傷であった交通事故の示談では、弁護士に依頼することで入通院慰謝料を弁護士基準まで引き上げて増額できる可能性がある。費用の詳細はケースバイケースで弁護料は弁護士によるので比較検討が必要となる。
個人で保険会社と交通事故の示談交渉をするのには限界があるため、示談交渉がうまくいかない場合には弁護士に任せた方がうまくいく。
交通事故で生じた車両の評価損は、保険会社は認めない事の方が多いので、補填してもらうには弁護士から交渉をしてもらう方が良い。
交通事故の損害賠償金が少なくて弁護士に依頼をためらっている場合には、弁護士費用特約に加入しているか確認をしたり、少額訴訟を検討してみると良い。