交通事故の示談を弁護士に頼むと裁判に行かなくても良い?
【質問】
1年前に自動車同士の交通事故を起こしたのですが、過失割合や損害賠償額で相手方ともめています。
当初は保険会社が間に入って話し合いをしていましたが、話が平行線であるため、3カ月前に保険会社の了承を得て弁護士に交通事故の示談の依頼をしました。
そうすると相手方も弁護士を雇ったようで、今度は弁護士同士で話をしていますが、相手の方がかなり頑なな対応であるため、裁判の可能性もあると弁護士から言われました。
私自身仕事が忙しいこともありますが、裁判で相手と顔を合わす事も嫌なので、裁判にはなって欲しくないのが本音です。
弁護士には裁判にならないようにお願いをしてはいるのですが、弁護士からは相手側から裁判を起こされた場合には裁判は不可避で、いっそのこと裁判となった方がこちら側の正当性が認められるので有利ではないかと言われました。
裁判になった場合、弁護士に任せていても裁判所に出廷しなければいけないのでしょうか?
【回答】
裁判となった場合には、訴訟したものと、訴訟されたものの両方が出廷しなければいけません。
もし出廷しなければ、一方的な欠席裁判となったり、裁判自体が行われない可能性があります。
しかし、訴えられた側が病気や高齢などで、出廷できないこともあります。
その場合には、裁判所も正当な理由として、裁判の日にちを変更することもあります。
一般的な民事裁判では必ず出廷しなければいけないため、それを負担と感じる交通事故の被害者もいます。
ですが、弁護士に依頼をしている場合には別になります。
弁護士は、本人の代わりとして活動できると法的に認められた職業ですので、本人の代わりとして裁判に出廷することができます。
依頼人が望めば、依頼人は裁判に出廷することなく弁護士だけで裁判を行うことも出来ますし、反対に弁護士を伴って裁判に出廷することも出来ます。
交通事故の裁判の場合、お互いの弁護士だけで裁判が行われることもあり、弁護士にすべて任すことも珍しい事例ではありません。
裁判所も特別な事情がない限り、弁護士の出廷だけでも問題がないと判断しますが、裁判所から名指しで出廷を求められた場合は別になります。
もし、特別な理由なく裁判所からの出廷命令に応じなかった場合には、裁判が不利になることを覚悟しなければなりません。
とはいえ、裁判になるならないに関係なく、弁護士に依頼している場合には、弁護士段階でほとんどの交通事故の示談処理をしてくれるため、相手側の対応に関しては弁護士に一任しておくのが、一番良いと思われます。
この記事を読まれた方にオススメの情報5選
保険会社と示談交渉で納得できる回答がもらえず裁判と言われた場合、弁護士を通じて交渉した方が有利に進められる。
個人で保険会社と交通事故の示談交渉をするのには限界があるため、示談交渉がうまくいかない場合には弁護士に任せた方がうまくいく。
軽傷であった交通事故の示談では、弁護士に依頼することで入通院慰謝料を弁護士基準まで引き上げて増額できる可能性がある。費用の詳細はケースバイケースで弁護料は弁護士によるので比較検討が必要となる。
交通事故の交渉で、「示談」「調停」「裁判」の違いは、示談は当事者同士の話し合い、調停は話し合いの場に裁判所の調停委員が立ち会う、裁判は文字通り裁判で内容を決めることを言う。
加害者が加入している保険の上限額が、交通事故による損害額を大幅に超える場合には、保険会社が示談から撤退する可能性がある。