弁護士に依頼すると示談交渉が長期化しますか?
【質問】
交通事故で頸椎と腰椎の不完全脊髄損傷となり、交通事故から1年経った今も通院をしています。
保険会社からは何度か症状固定をして欲しいと言われましたが、その都度医師の方から治療中であるとの進言をしてもらっています。
保険会社と私とで脊髄損傷に対する認識に大きな隔たりがあるため、示談交渉もうまく進んでいません。
そのため、保険会社との示談交渉を、交通事故に精通している弁護士に任せようかと思っています。
しかし、インターネットの交通事故の記事を見てみると、弁護士に示談交渉を依頼すると長期化すると書かれていました。
知人に相談したところ、「弁護士に依頼をしたら、裁判になって長期化するからやめた方がいいのでは?」と言われました。
本当に弁護士に示談交渉を依頼すると、示談が長期化してしまうのでしょうか?
【回答】
「弁護士に依頼すると示談が長期化するのでは?」と不安に思われているようですが、示談が終了するまでの期間は、依頼主の判断によるものの方が大きいです。
交通事故の紛争の依頼をされる方の目的も、早期の示談を望まれる方もいれば、時間はかかっても加害者に罰を与えるために高額請求したいと、様々です。
なかでも多いのが、「保険会社と示談交渉をしてもらいたいが、裁判はしたくない」と言うものです。
弁護士によっては、訴訟を前提とした依頼しか受任しないところもありますが、多くの弁護士は裁判以前の話し合い、つまり示談で解決をします。
ある弁護士事務所に対するアンケートでは、交通事故の依頼で裁判となったのは5%以下という数字が出ており、95%以上は保険会社との示談で解決しているのです。
つまり、弁護士に相談する際に、「交通事故の示談交渉をお願いしたいが、1年以内で解決できるように調整してもらえないか」と、はっきり伝えることが重要です。
依頼を受ける弁護士側としても、早期の示談を望んでいるのか、金額を重視しているのかで、保険会社に対する対応が変わってきますので、初めに依頼者の方針がはっきりとしている方が仕事がしやすいと言えます。
相談の時点で依頼人の意思を汲まず、「早期の示談をしたいのならば、保険会社の提示額をそのまま飲むしかないですね」とか、「裁判をすれば保険金がアップしますので、すぐにでも裁判の手続きをしましょう」と言うような弁護士であれば、依頼しない方が無難です。
多くの弁護士事務所で無料の交通事故の相談をしていますので、何件か相談して自分の依頼方針と合う弁護士を見つけると良いでしょう。
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軽傷であった交通事故の示談では、弁護士に依頼することで入通院慰謝料を弁護士基準まで引き上げて増額できる可能性がある。費用の詳細はケースバイケースで弁護料は弁護士によるので比較検討が必要となる。
保険会社と示談交渉で納得できる回答がもらえず裁判と言われた場合、弁護士を通じて交渉した方が有利に進められる。
交通事故の示談を弁護士に依頼している場合には、裁判となった場合でも弁護士に任せて出廷しないことも可能である。
交通事故の相談を弁護士にしたい場合、無料相談をしているところもあるが、条件がないか注意する。電話やネットの相談を利用していくつかの事務所を比較すると良い。
交通事故における損害賠償の請求には時効が存在し、規定の期間を経過してしまうと被害者の請求権が失われる。しかし、ひき逃げなどの特殊なケースにおいては、通常の時効とは期間が異なる。