むち打ちは交通事故の数日後から症状が出る?
むち打ちは、交通事故やスポーツで首に瞬間的に強い力が加わることで起こる怪我です。
交通事故では、追突の衝撃がむち打ちを発症する原因になります。
見た目は外傷があるように見えないので、怪我をしていることに気が付かないことが往々にしてあります。
交通事故に遭って外傷ができた場合は、当然のこととして病院に行って怪我の手当てをしてもらいますが、外見からは怪我をしているように見えないし、痛みなどの症状も感じなかったらどうしますか?
怪我をしなかったと思って、病院に行かない人もいるのではないでしょうか?
しかし、体の内部組織を損傷しているわけですから、やがて体に不調が訪れます。
むち打ちは後から症状が出ると言われるわけは、むち打ちになるような事故に遭ったとき、すぐ手当をしないで時間が経過し、しばらくして症状が悪化してから、ようやくむち打ちを発症していることに気付くことが多いためです。
怪我をしていないと思って交通事故が物損事故扱いになったが、後でむち打ちに気付いた場合は、物損事故を人身事故に切り替えてもらうために警察に書類や診断書を提出しなければなりません。
しかし、後で怪我をしていることがわかりましたと警察に申し出ても、警察が必ず物損事故を人身事故に切り替えてくれるとは限りません。
とくに、事故が発生してからかなりの日数が経過しているような場合は、申し出が認められない可能性があります。
物損事故のまま治療を続ければ、治療費は自己負担になりますし、損害賠償額も、物損と人身では大きく変わってきます。
交通事故に遭ったら、怪我をしていないと思っても、病院で診察してもらいましょう。
むち打ちという病名の由来
むち打ちは、首に強い衝撃を受けたとき、首と頭部が前後に大きくしなる様子が、むちを打つ様子に似ているので名づけられました。
人間の頭部の重さは、成人で約5キログラムあります。
瞬間的な衝撃により力のモーメントが頭部に働くと、頭部を支えている首の骨が限界を超えた動きをしてむち打ちになるのです。
英語でも、むちという意味のWhiplashもしくはWhiplash injuryと言うので、日本語と同様の表現を用いています。
もっとも、むち打ちという症名は、正式には、頸部挫傷(けいぶざしょう)、頸椎捻挫(けいついねんざ)、外傷性頸部症候群(がいしょうせいけいぶしょうこうぐん)などという名称が使われています。
主な症状は、首の痛みや動かし辛さ、痺れ、頭痛、めまい、耳鳴り、吐き気など多岐にわたります。
むち打ちとなった場合、保険会社は治療費を認めたがらなかったり、治療費を打ち切ってきたりすることもあるため、示談交渉が難航している場合には、交通事故に詳しい弁護士に相談してみるとよいでしょう。
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医学的な画像診断が得られないむち打ちの場合、神経学的検査が行われることもあるが、絶対的な検査方法ではない。
交通事故のむち打ちの症状固定をした後も通院を続けた方が、後遺障害認定の時に認定されやすくなったり、示談交渉で有利となることもある。
むち打ちの症状は痛みだけではなく、めまいや吐き気・頭痛など一見してむち打ちと関係のないものが、むち打ちが原因となっている事もあるので、症状が改善するまで治療を続ける方が良い。
交通事故が原因でむち打ちになった場合には、警察に通報する・病院にすぐ行く・保険会社が提示する示談内容で示談しないことがポイントとなる。
交通事故により負ったむち打ちを後遺障害と認めてもらうためには、医師の助言のもとに定期的に通院治療をしつつ、怪我と治療に関する記録を残しておくと良い。