むち打ちの示談を弁護士に依頼した場合どれだけの差がでる?
自動車の安全性能や運転マナーの向上から、20年前に比べると交通事故の件数は1/2になり、死亡事故は1/3になっています。
そのため、交通事故全体におけるむち打ち等の軽微な受傷の交通事故の割合が増えています。
「交通事故の約3割がもらい事故」と自動車保険のCMにもあるように、自分は信号で停車中や駐車中などで自身に過失のない事故が増えています。
自身に過失がない場合には、自動車保険に加入をしていても保険会社は介入することができないので、自分自身で加害者と示談交渉を行わなければいけません。
そのため、「交通事故でむち打ちになったけど、自分に過失がないから自分で加害者の保険会社と交渉しないといけない。不安だから弁護士に相談したいけど、費用とかが不安だな。」と思う方も多くいると思います。
一例ですが、弁護士に依頼した場合とそうでない場合を比較してみましょう。
むち打ちでも示談金に大きな違いが
○サラリーマンが交通事故でむち打ちを受傷。5日間会社を休み、3か月間週2回通院し計25回通院のケース
○弁護士に依頼しなかった場合
休業補償 8,000円/日 ×5日=40,000円
通院慰謝料 4,200円/日×(25日×2)=210,000円
○弁護士に依頼した場合
休業補償 8,000円/日 ×5日=40,000円
通院慰謝料 3か月 530,000円
休業補償は会社を休んだことによる収入の補償ですので差がありませんが、通院慰謝料で大きな差が出てきます。
弁護士に頼まなかった場合には自賠責基準で計算しますが、弁護士に依頼した場合には裁判所基準の請求を行います。
そのため、通院慰謝料で22万円の差が生じます。
例はサラリーマンですが、専業主婦の場合は休業補償を保険会社は認めないことが多いです。
認めたとしても自賠責の最低基準である5,700円とされることがほとんどです。
しかし、弁護士に依頼した場合には賃金センサスをもとにした計算がされるため、被害者の年齢によりますが8,000円前後となります。
つまり専業主婦がむち打ちを受傷した交通事故の場合、当初保険会社から提示された額が21万円だったのに、弁護士に依頼したところ57万円と倍以上の差が出ることがあります。
「でも、26万円増えても、弁護士費用がそれ以上かかったら意味がないのでは?」と考える方もいると思います。
ほとんどの弁護士事務所が初回無料の相談をしており、その時に費用の説明がありますので、赤字になりそうならば弁護士の方から止められます。
また、近年では自動車保険に弁護士費用を負担する弁護士費用特約が付帯しているものも多く、契約者だけでなく契約者と同居の家族まで利用可能であることがほとんどなので、弁護士費用特約を使えばほぼ持ち出しなしに依頼することができます。
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むち打ちの示談交渉で、早期に示談を受け入れるのはよくないが、示談を引き延ばすのもよくないため、示談の金額などは弁護士に相談をした方が良い。
むち打ちを負う交通事故に遭った被害者は、弁護士に依頼するタイミングを把握できていない事が多い。状況によって最善のタイミングを見極め、弁護士へ依頼すると良い。
交通事故で負ったむち打ちで示談書を交わしたら、その後に別の不調が出たとしてもその慰謝料を求めて示談し直すのは難しい。やり直しには3つの条件があるが、クリアする確率は低い。
交通事故の被害者は、弁護士に依頼する方が何かとプラスになる点が多い。しかし軽症のむち打ちのような場合には、適切なタイミングで利用する事が非常に重要になる。
交通事故のむち打ちで、間違った情報をもとに相手や保険会社と交渉すると不利となるため、正しい情報を知っておく必要がある。