首の痛みだけではないむち打ちの症状について
むち打ちの症状と言うと、一番に首の痛みが思い浮かぶと思いますが、それだけではありません。
むち打ちを経験したことがある方ならわかると思いますが、首の筋がこわばり突っ張るような違和感や、首の痛みとともに肩や肩甲骨の筋肉までも痛みが伴うといったことがあります。
むち打ちは筋肉の断裂や筋肉の過度の緊張が原因で引き起こるものが多いので、痛みまではいかないものの首に違和感を覚えたり、首の筋肉とつながっている肩や肩甲骨の筋肉に影響を及ぼして、肩や背中に痛みが生じることがあります。
また、むち打ちの治療で首が固定された場合、左右を向くのに腰をひねる体勢を取ることが多くなるため、腰痛やヘルニアなどの持病があると悪化する可能性があります。
この場合、事故により持病である腰痛が悪化したのか、腰をひねるのではなく体ごと方向を変えるなどの適切なむち打ちの療養をしなかった被害者が原因で悪化したのかで、加害者との争点となり示談がこじれることもあります。
腰痛の悪化はむち打ちが直接の原因でないとはいえ、遠因であるのは確かであるため、加害者側に治療費などの請求はできますが、後遺障害認定に関しては『事故前から持病があった』として、腰の後遺障害が認められたとしても減額されます。
こんな症状もむち打ちが原因かも?
むち打ちは首の部分の痛みの他に、めまいや耳鳴り・吐き気・頭痛などの症状が現れることがあります。
頸部には神経の束と言うべき脊髄が通っているため、脊髄損傷になっていなくても頸椎がずれたり、首の筋肉が腫れたりしたことにより、脊髄やリンパ腺・血管が圧迫されてしまう事があります。
これらが圧迫されると、神経伝達がうまくいかなかったり、リンパ液の流れが悪くなったり、血液の流れが滞る事があります。
そのことにより、めまいや耳鳴り・吐き気・頭痛が発症したとしても、CTやレントゲン写真などで頸椎のズレなどが発見されなければ、むち打ちが原因と関連づけて考えられず、医師も見逃す可能性もあります。
筋肉の腫れが原因であれば、治療や療養により筋肉の腫れが治まる事により、これらの症状は緩和していきますが、頸椎のズレやゆがみが原因であるのならば、頸椎自身を治療・矯正しなければむち打ちの症状が治りません。
そのため、形成外科で行われる頸椎の牽引は、7つある頸椎の間を伸ばすことにより圧迫を開放して、正しい位置に頸椎を治す効果があるため、治療としては理にかなっています。
むち打ちで治療が長期化した場合には、加害者の保険会社から治療の打ち切りを言ってくることもありますが、症状が出ている間は治療を続け、弁護士が加害者側と交渉する方が良いでしょう。
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むち打ちの症状は不定愁訴の者が多いため、患者と医師や保険会社との間で症状の見解に差異が生じやすく、示談がうまくいかないこともあるので、弁護士に介入してもらい問題解決するとよい。
交通事故によるむち打ちの治療が長引くのは、頸椎だけでなくその周辺の他の組織も傷付いているからである。後遺症が残った場合には後遺障害を認定してもらうために申請手続きに入る。
交通事故により負ったむち打ちを後遺障害と認めてもらうためには、医師の助言のもとに定期的に通院治療をしつつ、怪我と治療に関する記録を残しておくと良い。
交通事故のむち打ちの症状固定をした後も通院を続けた方が、後遺障害認定の時に認定されやすくなったり、示談交渉で有利となることもある。
医学的な画像診断が得られないむち打ちの場合、神経学的検査が行われることもあるが、絶対的な検査方法ではない。