家族が死亡事故に遭った際の葬儀の行い方について
家族が交通事故で死亡した場合、病院に搬送されてから死亡が確認された場合は病院で、死亡事故現場で確認された場合は病院もしくは警察施設で検死が行われます。
病院や自宅などで医師の管理の中で看取られながら亡くなった場合以外は、死因を特定する検死は義務づけられているため、死亡事故の場合も検死は避けられません。
検死は死亡当日に終わる時もあれば、数日~1週間程度かかる時もあります。
検死が終わった後で、遺族が行わなければいけないのが葬儀です。
検死が終わった時点で、『死亡診断書』もしくは検死結果の『死体検案書』が発行されますので、役所に行って死亡届を提出して、『火葬(埋葬)許可証』をもらいます。
それと並行して葬儀の手続きをしなければいけないのですが、生前より自身の葬儀について事前に用意されていたのならば、その通りに進めていけばよいのですが、用意をされていない方のほうが大半かと思います。
葬儀は急ぎながらも慎重に
突然の死亡事故で遺族も、「いきなりの葬儀でどうすればよいのかわからない。葬儀屋の言うがままにしてしまっていいのだろうか?」と大変不安があると思います。
大きな病院などでは葬儀会社がスタンバイしており、患者は亡くなるとご遺体の搬送や葬儀などを提案してきます。
葬儀会社を探すのが手間で葬儀費用が気にならないという場合には、葬儀会社の提案を受け入れるのも一つの方法ですが、相場と比べて割高感があるのは否めません。
また、病院などからご遺体を早期に引き取るように言われた場合、「自宅は無理だし、葬儀会場も決まってないけど、引き取ってもらうしかない。」と、深く考えずに頼んでしまうケースもあります。
この場合、一旦別の親族と話をしたり、スマホで葬儀のことを検索したりして、一旦落ち着きましょう。
病院側がすぐと言っても1・2時間の猶予はあるため、「親族が葬儀会社と話をしているので、少し待ってください。」と、病院職員や病院付の葬儀会社に言っておけばよいでしょう。
多くの葬儀会社は24時間対応していますので、ネットで見つけた葬儀会社でも「○○県の××病院で亡くなったので、遺体の搬送と葬儀をお願いしたいのですが。」と言えば、即対応してくれます。
その際には必ず費用について確認をしておきましょう。
例えばネットで「家族葬セット○○万円~」と書かれている場合には、何かしらの追加を勧められることが多いので、先に「葬儀費用は70万円までしか出せません。」とはっきりと提示しておく方が良いです。
特に仏教徒の場合には、僧侶に対して御布施や戒名料が別途必要なこともあるため、その分も考慮して葬儀費用を計算しなければいけません。
交通死亡事故の場合、加害者側に対して葬儀費用を請求できるのですが、自賠責では100万円が上限となります。
ここで注意したいのが、葬儀典代や戒名料などは葬儀費用に含まれるのですが、香典返しの費用は含まれません。
また、参列者からいただいた香典分を、葬儀費用から減額する必要もありません。
判例では葬儀費用はおおよそ150万円まで認められ、墓石建立費用も認められたケースもあるため、弁護士に相談してみるのも良いでしょう。
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死亡事故の葬儀の場合、加害者が葬儀に参列するか否かで、のちの刑事裁判や示談に影響が出るため、葬儀の前に加害者への方針を決めておく方が良い。
死亡事故の加害者への損害賠償請求には、通夜~法要、埋葬までに要する葬儀関係費用を含められる。一般的な請求上限額は150万円であり、個々の要件により上限額は増減する可能性がある。
死亡事故で発行される死亡診断書(死体検案書)は、のちのさまざまな手続きに必要となり、弁護士に依頼する際の情報源ともなるため、コピーを複数枚手元に置いておく方がよい。
交通死亡事故となった場合、相手側の保険会社から葬儀代が支払われることもあるので、事前に保険会社に確認をした方が良い。
未成年者の死亡事故の場合は、成年の損害賠償金の計算方法とは異なるため、その点で加害者と意見が対立することがあるので、弁護士を通じて示談を進める方が良い。