家族が死亡事故に遭った場合に重要な死亡診断書について
死亡事故は、日常生活から急に非日常生活になってしまうため、残された遺族にとっては故人を悼む暇もなく様々な手続きに振り回されることになります。
通常、交通事故で死傷者が出た場合には、病院に搬送されます。
事故現場で明らかに死亡が確認された場合は警察により検視が行われるので、検視が行われる施設や病院に搬送されますが、心拍の停止などでは蘇生を行いつつ、病院に搬送されます。
死亡事故では病院や検視先の施設で死亡診断書(死体検案書)が発行されるのですが、必ず複数枚コピーをしておきましょう。
役所に死亡届を出す際には、死亡診断書(死体検案書)の原本を添えて提出し、引き換えに役所からは火葬場での火葬や墓地への埋葬に必要な火葬許可証が発行されます。
しかし、死亡診断書が必要な書類は他にもあるため、原本を役所に提出してしまうと、役所に出向いて手数料を支払って発行してもらう必要があります。
さらに戸籍の方の除籍手続きなどが重なってしまうと、2週間~1か月ほど発行出来ないこともあるので要注意です。
弁護士に相談する際にも死亡診断書があるとなおよい
死亡事故の被害者が家族の筆頭者であり、公共料金の名義人などである場合には、速やかに変更しなければ、引き落としにしている場合には預金が足りずに電気やガスなどが止められてしまう可能性があり、口座名義人の死亡を銀行が知った場合には口座を凍結するため、預金残高の有無にかかわらず、引き落としができなくなります。
また、被害者名義のクレジットカードの年会費や携帯電話料金なども引き落としされたり、引き落とし出来なかったがために家族割で加入していた携帯電話全てが使えなくなるなどの弊害が起こりかねません。
これらの名義変更手続きや退会手続きには、死亡診断書のコピーが必要になってくるため、複数枚コピーを取っておく方が無難です。
他にも、生命保険に加入している際の死亡保険金の請求に死亡診断書のコピーが必要となってきますし、被害者が年金受給・加入をしている場合には年金事務所への手続きでも必要となっています。
また、弁護士に死亡事故の示談交渉を依頼する際に、死亡届のコピーがあると死亡日時や検視の所見などを弁護士に正確に伝えることができるので、相談をしやすくなります。
通常ならば、葬儀にかかわる葬儀社が死亡届を代わりに提出する際に、死亡診断書を複数コピーするように助言するのですが、家族葬で葬儀社があまりかかわらなかったり、親族が死亡届を提出する場合には忘れがちになるため、必ずコピーを数枚手元に置いておくようにしましょう。
この記事を読まれた方にオススメの情報5選
死亡事故の場合、病院付の葬儀会社に葬儀を頼むことが多いが、自分で選んだ葬儀会社に頼むこともできるため、葬儀費用を踏まえて依頼をする方が良い。
死亡事故の場合、警察・裁判所・保険会社が死亡事故の遺族の味方とならず、遺族が第二の被害者となるケースもあるため、早目に弁護士に相談をするとよい。
死亡事故の相続で代襲相続が発生した場合は問題が起こりやすくなるため、代襲相続の相続人は、相続が発生したことを知った時点で弁護士に依頼をした方が良い。
交通事故の場合、病院に収容された後に死亡した場合は、遺体はすぐに遺族に渡される場合もあるが、即死の死亡事故の場合は検死が必要となるため2日から1週間程度となる事がある。
家族が死亡事故に遭った際の弁護士費用には、着手金と成功報酬が含まれる。成功報酬を払っても、賠償金が増額されれば、依頼人にとって大きな経済的利益となるため、まずは弁護士へ相談するのが望ましい。