家族が死亡事故に遭った際に加害者にはどう対応すべき?
家族が死亡事故に巻き込まれた遺族が、弁護士に相談される内容で「加害者からの謝罪がない」・「加害者から謝罪の手紙を受けているが、正直受け取りたくない」といった、「死亡事故被害者の遺族と加害者との確執」が大きな問題となっていることが多いです。
こういったケースでは加害者自身に誠意がなく謝罪しないといった対応をするの場合が多いのですが、初めは遺族と加害者の小さなすれ違いがだんだんと大きな問題となっていることもあります。
死亡事故の場合、加害者は警察に拘留されて取り調べを受けます。
逮捕から取り調べ・送致・勾留という流れになるのですが、最大23日間は警察に拘留されて、その間は弁護士以外は加害者の家族であっても加害者と面会することが許されません。
そのため、加害者や加害者家族が、死亡事故の遺族に謝罪したくても出来ないという状況が生まれます。
加害者が執行猶予中でない、前科がない、死亡事故の原因が悪質なものではない、加害者が取り調べに協力的などといった場合、送致が済んだ時点で警察がいったん釈放して自宅待機という形になる事もあります。
その時点で加害者が遺族に謝罪をすることもあるのですが、被害者家族の「なぜすぐに謝りに来ないのか?」という感情論が優先されて、理由を言っても聞き入れてもらえないケースもあります。
加害者側への対応はどうすれば?
死亡事故の場合は遺族の意向を優先させる対応をすることが大切です。
加害者側に保険会社の担当や弁護士がついている場合には、「加害者も反省しているので、加害者の将来のことも考えて、示談に応じてもらえませんか?」と言ってくることがあります。
遺族が加害者の事を慮り許して示談に応じるのもよい事ですが、加害者側の保険会社が提示する示談金額は、判例から比べるとかなりの低額となっているのがほとんどなので、遺族側も弁護士に示談内容が適切であるか相談をした方が良いです。
逆に加害者側の対応に誠意が感じられず加害者に厳罰を望む場合には、示談だけではなく加害者側からの接触を拒むことで、遺族の怒りや悲しみを示す必要があります。
直接の謝罪を断るだけでなく、謝罪の手紙を受け取り拒否して返送する、受け取ってしまった手紙は開封せずに放置するなどといった対応をすることにより『加害者の謝罪の拒否』を表すことで、裁判となった際に遺族の気持ちを主張することができます。
特に示談をしているかどうかは、加害者の刑罰を決める刑事裁判で重要なポイントとなるため、厳罰を望む場合には刑事裁判以前や公判中に示談をするべきではありません。
死亡事故において示談のタイミングはナイーブな問題となりますので、弁護士に相談してすすめる方が良いでしょう。
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死亡事故の場合、警察・裁判所・保険会社が死亡事故の遺族の味方とならず、遺族が第二の被害者となるケースもあるため、早目に弁護士に相談をするとよい。
加害者が補償内容の充実している保険に加入していないと、死亡事故の被害者遺族が弁護士に依頼しても、十分な損害賠償金が支払われないことがある。
死亡事故の遺族が加害者の減刑嘆願をする場合、結審までに示談を終わらせている方が良いが、示談内容に不安があるのならば、弁護士に依頼して示談をすすめてもらうとよい。
死亡事故の示談をした後は、ほぼ示談を取り消すことができないため、問題がある相手ならば、示談交渉をする際は弁護士に任せた方が良い。
死亡事故の現地調査を遺族がする場合には早めに行った方が良いのと、用意をきっちりしてから現地調査に望んだ方がいい。