死亡事故で示談を成立させると被害者に起こるデメリットとは
交通死亡事故での示談といえば、損害賠償金額を決めるためだけのものと捉えがちですが、実はそれ以外にも加害者側・被害者側双方にとっての意味が存在します。
どんな意味があるのかを、メリットとデメリットとして挙げてみます。
まず加害者側のメリットでは、死亡事故の示談成立は、その後の刑事手続きにおいてより有利な参考材料となります。
不起訴になる、つまり刑事裁判にならないことで前科がつかずに済む可能性が高くなり、よりスムーズな社会復帰を期待できます。
これは死亡事故の加害者にとって、かなり大きなメリットです。
一方被害者側のメリットは、示談が成立することで面倒な民事裁判などを行わずに済むこと、より早く損害賠償金を受け取ることができるということです。
ただし、決定した示談金を加害者側が払おうとしない場合には、やはり民事裁判を起こす必要が生じます。
示談成立による被害者側のデメリットとは
加害者側にとって、死亡事故で示談を成立させるデメリットは見当たらず、メリットでしかないと言えます。
逆に示談が不成立になると刑事罰を軽くする参考材料をなくしていまい、被害者に対する賠償責任を果たすことができず、ずっと背負い続けなければなりません。
示談交渉のための弁護士依頼費用があったとしても、刑事罰や社会的責任、道義的責任を長く背負い続けるデメリットと比較すれば、示談を成立させるに越したことはないのです。
被害者側から見た示談成立のデメリットは、加害者の刑事罰が軽くなることです。
突然の事故で大切な人をなくしたばかりの遺族は、加害者へ相応の処罰が下されることを望んでいます。
そんな中、示談が成立したからといって刑事罰が軽減されることは、遺族にとっては納得できない事態と言えます。
まとめると、加害者としては刑事罰の軽減、その後の社会復帰の可能性、賠償責任を果たせるといったメリットが多い示談は、できるだけ成立させたいものです。
被害者としては、早めに賠償金を受け取るために示談を成立させるのか、加害者に相応な処罰を下すために示談に応じるのを遅らせるのか、メリットとデメリットを天秤にかけることとなります。
これらのメリット・デメリットとは別問題として、納得ができない内容での示談は急ぐべきではありません。
示談がもつれれば裁判によって解決するしかありませんが、時間、手間、費用、いずれの負担も大きい裁判はできれば避けたいもの。
有効な解決策を得るためには、交通死亡事故の示談や法的手続きに詳しい弁護士に相談するのがベストでしょう。
この記事を読まれた方にオススメの情報5選
司法書士だと140万円までの死亡事故で簡易裁判所までしか扱えず、保険会社も争ってくるケースが多いので、死亡事故の示談の依頼をするならば弁護士一択になる。
死亡事故で被害者家族が加害者の減刑を望む場合には、謝罪を受け入れる・示談交渉に応じる・減刑の陳情を裁判所に対して行うなどの方法がある。
死亡事故で弁護士を雇う利点は、公的な手続きを代行してもらえる、加害者側の交渉を任せられるので直接会わずに済む、保険会社と交渉して保険金の増額が望めるなどがある。
死亡事故の対応をご遺族で処理するのではなく弁護士に任せる事で、損害賠償金額が増えたり、各種手続きの手間が省けたりと、様々なメリットがある。
家族が死亡事故に遭った場合、加害者や加害者側の保険会社との示談交渉のほかに、法律関係の手続きや死亡事故の裁判、遺族の内紛などの問題があるので、弁護士に依頼する利点が多い。