仕事が忙しくて死亡事故の示談交渉をする時間がなかったら?
死亡事故で家族を亡くしたが、遺族が会社員などで仕事が忙しく、示談交渉の話し合いに十分時間をかけることができない場合があります。
忙しい会社員でも賠償金問題について納得のいく話し合いをするには、弁護士を全権代理人に指定すれば、被害者遺族の代わりに加害者と賠償金について交渉できます。
被害者もしくは被害者遺族の代理人となって示談交渉の場で賠償金について話し合うことができるのは弁護士だけです。
司法書士その他の職業の人は、示談交渉をする権限を持ちません。
賠償金は、もしかすると、これまでの生涯で手にする最も高額な現金になるかもしれません。
人生を左右するかもしれない高額なお金を、あなた一人で決定しますか?
もしかしたら、加害者側の保険会社が提案する金額は、相場よりずっと安いかもしれません。
弁護士を代理人に指定すれば、同類の死亡事故における賠償金の相場を知っているので、適正な賠償金額を提案できます。
弁護士は任意自動車保険会社に受任通知を出す
死亡事故の被害者と正式に代理人契約を結んだ弁護士は、加害者が加入している任意自動車保険の会社に受任通知を出します。
受任通知が保険会社に受理された後の示談交渉は、弁護士と保険会社の間で行われます。
その際、任意の話し合いを継続するか、裁判に移行するかは、相手との交渉次第ですので、依頼人と連絡を取りながら示談交渉を進めていくことになります。
その間に、自賠責保険会社に被害者請求を行います。
所要期間は1~2カ月です。
自賠責保険から支払われた保険金は、最終的に保険会社が支払う賠償金額から相殺されます。
任意交渉で和解した場合は、和解契約書を作成して賠償金が支払われます。
任意交渉の期間は、およそ3~4カ月程度です。
裁判になった場合は、半年から1年かけて和解勧告に従って和解するか、判決を取るかのいずれかの方法で賠償金が確定します。
このように、死亡事故の賠償金が確定するまでには、ある程度の時間がかかり、忙しい会社員の人は、示談交渉に時間を割くことはもちろん、精神的にも常に不安な気持ちを伴うことになるので、ご自身で損害賠償請求をすることはお勧めできません。
弁護士費用については、弁護士と契約する際に詳細な説明があるので、納得のいくまで質問してください。
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交通事故や死亡事故の加害者や加害者の保険会社に対する保険金の請求権は、2年もしくは3年であるため、時効以前に示談をしないといけないが、時効を中断する方法もあり、弁護士と相談をした方が良い。
死亡事故で弁護士を雇う利点は、公的な手続きを代行してもらえる、加害者側の交渉を任せられるので直接会わずに済む、保険会社と交渉して保険金の増額が望めるなどがある。
死亡事故のように損害賠償額が大きくなったり、加害者との争点が生まれたりしそうな場合ほど、弁護士の力が求められる。その時、できる限り交通事故に強い弁護士を選ぶのが望ましい。
死亡事故は、傷害事故と違い被害者が意見を述べることができないため、過失割合に納得できない遺族は、弁護士に事故を調査してもらって正しい過失割合を主張するほうが良い。
交通死亡事故で相手側の損害保険会社と交渉する場合、冷静さを保ち話し合う必要があるが、それが無理だと感じたら弁護士に依頼をした方が良い。