死亡事故で遺族が現地調査する場合の心得とはどんなもの?
死亡事故において、加害者の主張と警察の検分、被害者家族の考えのそれぞれが違うことがあります。
加害者は自分の有利な主張をしますし、警察も死亡事故の場合は被害者が亡くなっているため、目撃者がいなかったり防犯カメラなどの映像記録がなかったりする場合には、加害者の証言を重きにおいて検分を行うこともあります。
そのため、死亡事故の遺族が「夫は慎重な性格で、スピード違反をしない」「娘は真面目で、横断歩道以外の場所を横断していたなんて考えられない」と主張しても、取り合ってもらえないといったケースもあります。
こういった場合には、遺族が死亡事故の現地調査を行おうと考えられることもあるのですが、「素人が現地調査するよりも、交通事故鑑定人のようなプロに頼んだ方が良いのか?」とためらわれるケースも多々あります。
しかし、死亡事故の現場調査を行いたいと思っているのならば、交通事故鑑定人といったプロに頼む前に、遺族自身が調査した方が良いと言えます。
なぜならば、交通事故現場は道路であることがほとんどであるため、自動車の往来などでどんどん死亡事故の痕跡が消えていくからです。
現地調査する際の用意と心構え
現地調査のために用意するべきものは、
・カメラ・ビデオ録画機・録音機
カメラは必需品ですが、ビデオ録画機などの動画が撮れるものがある方が、信号が変わるタイミングや間隔、交通事故時の自動車の交通量などが把握しやすいため、両方揃えておく方が良い。
録音機は現地で目撃者が見つかった場合に、証言を録音するのに利用できる。
・メジャー・タバコの箱・小銭
メジャーは現地調査での必需品と言えます。
タバコの箱や小銭は、小型の証拠を発見した際に大きさの比較対象物として使います。
・ホワイトボード
写真を撮影する際に「○月○日×時×分 △△交差点を南から北に覗く」という風に書いたホワイトボードを、写真の一部に入るように撮影しておくと、後で整理をする時に楽です。
・軍手・密封できるナイロン袋
警察の検分の後のため確率は低いが、万が一証拠となりそうな品が見つかった場合には、なるべく素手で触らないようにして、チャック付のナイロン袋に入れて保管しましょう。
現地調査での注意点
・現地調査をする際には、第三者に立ち会ってもらうのがベスト
・死亡事故の現場は公道もしくは個人の私有地の可能性もあるので、他の自動車や人の往来の邪魔にならないようにする
・警察のように捜査権があるわけではないので、通行人や近隣住人への聞き取りに配慮する
・死亡事故の現場付近で防犯カメラを見つけた場合、所有者に画像見せてもらえるように頼んでも、個人情報の観点から断られることもあるので、その場合には無理強いせずに、死亡事故の調査をしている警察に防犯カメラの事を告げて、警察の方で調査してもらえるようにお願いする
・有力な目撃者が見つかった場合には、必ず名前と連絡先を聞いておくこと
などがあります。
この記事を読まれた方にオススメの情報5選
死亡事故に遭った被害者の遺族への対応によって、加害者の刑罰の軽重が変わる事があるので、弁護士に相談をして対応をどうするか考えた方が良い。
死亡事故の場合、警察・裁判所・保険会社が死亡事故の遺族の味方とならず、遺族が第二の被害者となるケースもあるため、早目に弁護士に相談をするとよい。
家族が死亡事故に遭った場合、遺族は刑事裁判の手続きに参加して、検察官の隣りもしくはそばに座り、証言をしたり被告人に質問することが可能である。
死亡事故の加害者は、事故発生後に逮捕される。最長23日間拘留され、その後、起訴するか不起訴か検察が判断する。加害者の減刑は、被害者との和解が重要視される。
死亡事故の加害者側に弁護士がついた場合には、被害者遺族からすると「口達者な弁護士に押し切られる」といったケースに陥りがちなので、早急に弁護士に相談をして、対応策を考えた方が良い。