遷延性意識障害患者を自宅介護した場合の受診方法は?
遷延性意識障害患者を自宅介護する場合、介護の大変さがあります。
患者の身の回りのお世話だけでなく、健康管理も重要となってくるのですが、家族だけで健康を管理するのは難しく、定期的な受診が必要となってきます。
遷延性意識障害患者が受診する方法としては、『自宅で往診を受ける』・『病院の外来で受診する』・『病院に入院して受診する』の3つの方法があります。
遷延性意識障害患者は自分で移動することが出来ないため、自宅で介護をしている場合には往診が一番の選択肢になると思います。
しかし、住んでいる場所によっては往診してくれる医師が居なかったり、遷延性意識障害患者が近くの病院の外来に行っても受診してくれなかったりということがあります。
そのため、遷延性意識障害患者を自宅で介護すると患者家族が希望しても、「現実的ではない」と医師からストップがかかることがあります。
医師自身が患者の退院を禁止することは通常出来ないため、無理にでも自宅に連れ帰るということは出来なくもないですが、患者の健康を考えると得策とは言えません。
自宅での介護を希望する場合には、患者の定期的な受診をどうするかも解決すべき問題と言えます。
患者の介護を優先に考える
遷延性意識障害患者の定期的な受診を考えた場合、『往診をしてもらえ、体調が崩れた際に入院出来る病院と連携する』というのが一番良いのですが、そうでない場合には受診の方法を考える必要があります。
病院の外来で受診をする際には、病院側が受診できる設備があり受け入れてくれるかの問題のほかに、病院との往復の移動手段が問題になります。
患者の容態が良く車いすで移動が出来るのであれば、福祉車両型のタクシーで移動できますが、寝たままの状態での移動しか無理な場合には救急車のような寝台車が必要となります。
その場合、通常のタクシーとは違い費用が高額となるため、定期的な出費は患者家族の負担となる可能性があります。
自宅での往診や外来での受診が難しい場合には入院しての受診となりますが、受診のためだけに病院側が入院させるかというと現実的ではありません。
そのため、交通事故で家族が遷延性意識障害となった際は、まずは病院に搬送されますので、その病院の退院前に医療関係者とともに介護計画を立てることになります。
医療関係者からは、患者家族の方針を重視しつつも、患者の健康状態や介護環境を考えて、あえて自宅介護ではなく医療施設での入院を勧めることがあります。
遷延性意識障害患者の介護は1年2年で終わりではなく、何十年と続くこともありますので、無理をしすぎない介護の方法を選ぶと言うのも、患者家族にとっては大切です。
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遷延性意識障害患者の中には、人工呼吸器が必要となる人もいる。人工呼吸器が必要な遷延性意識障害患者の自宅介護は、かなり重篤なレベルとなるので、それを踏まえて家族は検討する必要がある。
自動車事故対策機構(NASVA)は、遷延性意識障害などの交通事故被害者の援護をする独立行政法人で、療養センターの入所や介護料の支給などの支援をしている。
遷延性意識障害であっても、医学的にリハビリは有効と考えられており、音楽療法やアロマ療法など様々な種類がある。
交通事故に遭い遷延性意識障害となった場合、遷延性意識障害患者は健常者と比べて感染症に罹患する確率が高いため、自宅介護する場合には介護者が日頃から十分に観察とケアをする必要がある。
遷延性意識障害患者が長期入院するには、医療制度から難しい面があるが、長期入院を実施している医療療養型病院もわずかながらにある。