遷延性意識障害の後遺障害等級認定により請求できるものとは
交通事故で請求できる損害賠償は、被害者が負った怪我が重症となるほど、高額の賠償金を請求できる可能性が高まります。
その一例としてあげられるのが遷延性意識障害です。
遷延性意識障害は、被害者の意識が戻らない状態、いわば植物状態とも言える深刻な後遺障害となります。
よって、後遺障害等級認定としては、最大である1級を取得できるため、高額の損害賠償を請求できるのです。
労働能力が完全に失われる事が大きく影響しています。
交通事故を原因としてご家族が遷延性意識障害となった場合、大きく分けると財産的損害と精神的損害の賠償金を請求できます。
まず財産的損害は、症状固定までに発生した損害、すなわち治療費や入院費、付き添いとなる看護費用、そのほか雑費があげられます。
また、症状固定後の治療費や入院費、そのほか介護費用や被害者の転院に必要な移動費用等も請求できるでしょう。
精神的損害は、被害者本人及び、近親者が交通事故により生じた精神的苦痛に対する損害として請求できます。
これには傷害慰謝料と後遺障害慰謝料があり、等級に応じて算出されますが、事情によって金額が上下する場合があります。
慰謝料を増額して請求するには
ご家族が交通事故で遷延性意識障害という深刻な後遺障害を負ってしまったと考えると、少しでも多く慰謝料を増額し、請求したいと考えるのが自然です。
その場合、特に増額を図りやすい方法としては弁護士を雇い、裁判所や弁護士の基準で慰謝料を請求する方法でしょう。
この基準に基づいて慰謝料を請求する場合、通称、赤い本と言われる法律の専門書に基づいて算出されます。
しかし、仮にこういった専門書を被害者のご家族が用意したとして、こういった事例があるというように主張しても、加害者側はまともに取り合ってくれません。
被害者側の立場となる弁護士が交渉してこそ、この主張は通りやすくなります。
自賠責基準や任意保険基準の場合、自賠責法やその保険会社が定めている金額等に基づいて算出されるため、金額としては少なめです。
それでは被害者のご家族が納得いく結果を得らえるとは到底思えません。
遷延性意識障害という重大な後遺障害をご家族に負わされたケースでは、弁護士を雇っても費用倒れになる可能性はほぼないでしょう。
また、被害者が加入している保険に弁護士費用特約があれば、そちらをご利用されると弁護士費用を補償してもらえます。
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交通事故で遷延性意識障害となった場合、むち打ちや死亡事故などとは異なる損害賠償の請求項目がある。将来的に余計な経済的負担を負わされないためにも、抜けなくチェックする事が大切である。
交通事故で遷延性意識障害になった場合、保険会社は遷延性意識障害患者の余命を平均余命より短く計算して賠償額を計算するので争点になりがちである。
遷延性意識障害の被害者が、交通事故の示談成立前に死亡した場合、示談内容はいったんリセットされる。交通事故との因果関係を確認しながら、改めて損害内容を確認、手続きを行う。
交通事故の被害者になり、遷延性意識障害となってしまった場合、将来的な転院のための移動費用、さらには介護費用等も視野にいれるべきである。今後を見据えて、適切な慰謝料の請求を行うのが望ましい。
交通事故による遷延性意識障害の積極的損害と消極的損害のうち、積極的損害は項目が他の交通事故に比べて多岐にわたることが多いので、注意が必要である。