脊髄損傷が原因で生活が困難な場合はリフォーム代の請求を
交通事故で脊髄を痛めると、脊髄損傷となる場合があります。
脊髄損傷の症状は様々で、まず大きく分けると完全型と不完全型に分かれます。
完全型は脊髄が離断してしまい、神経の伝達機能が絶たれるもので、対して不完全型は一部分が損傷したり圧迫されたりする事で、一部の機能が残っている状態です。
特に完全型の脊髄損傷は運動能力が失われることから重症とされます。
交通事故後、車椅子での生活を余儀なくされるため、常時介護を必要とされる場合もあります。
仮に車椅子での移動や常時介護が必要な状態となった場合、交通事故以前の自宅では、これまで通りに生活するのが困難となり得ます。
よって、自宅のリフォームが必然的に求められる事でしょう。
そうなった時、リフォームにかかる全ての金額を被害者が負担しなければならないという訳ではありません。
交通事故が原因で生活が困難になる状況を押し付けられた事になるため、加害者側にいくらかの費用を請求する事が可能なのです。
リフォーム代を加害者側に請求する上限とは
交通事故での脊髄損傷による後遺症が原因で、現在の住宅環境での生活が難しい場合、脊髄損傷患者の生活を支障なく行える程度のリフォームが求められます。
全て建て直しが必要なのかは、脊髄損傷患者の状態や症状にもよるところでしょうが、脊髄損傷患者の生活範囲と家族が介護をする場所を除く部分も、建て直しとなると大きく変えなければならないため、全額の請求が認められるかどうかは難しいところです。
あくまで脊髄損傷患者の生活に関わる部分のリフォーム費の請求が認められる可能性が高いという事です。
例をあげるならば、玄関の段差、トイレやお風呂の仕様などは認められる可能性が高いものの、全ての洋室をバリアフリーにするといった患者の関わりが薄いところ、ほかにも自宅に大理石を使用するなど怪我との関連性が低いものの請求も基本的には認められないでしょう。
具体的に、後遺障害に合わせてどれくらいの設備が必要で、どういった仕様にリフォームすべきなのかは、個人では判断しづらいと思います。
そこで、設計士や作業療法士など専門の方と話し合い、明確に計画を練っていくのが望ましいです。
そして、加害者側の保険会社との交渉にあたっては、スムーズに進め、正当な主張を行うためにも、交通事故に強い弁護士を味方につけておくと安心でしょう。
この記事を読まれた方にオススメの情報5選
脊髄損傷は損傷の程度により、足先の痺れや、下半身麻痺であったりと症状にばらつきがある。交通事故による怪我が原因で生活が困難になった場合、リフォーム費用を加害者側に請求できる可能性がある。
脊髄損傷となって自宅介護する場合、職業介護人の費用を保険会社に請求することができるが、容体などによっては介護人の費用が認められないこともある。
交通事故による脊髄損傷で車いすなど歩行器具が必要となった場合には、将来的な買い替えも含めて加害者側へ費用を請求することができる。
医師が脊髄損傷患者の介護が必要と判断した場合、例え身内が介護をしたとしても、介護費用を請求できる。仮に職業介護人を雇った場合も、負担した費用の請求が認められる。
保険会社が事故による脊髄損傷と認めないケースには、事故が軽微であったり、症状の発症が遅いことがあげられる。保険会社に認めさせるには、弁護士に相談をした方が良い。