交通事故で時計などの物品が壊れた場合も対物賠償してもらえますか?
【質問】
娘が成人式の帰り道に、雪でスリップした車にはねられました。
身体の方は幸い打撲で済んだのですが、成人式と言う事でかなり高価なものを身に着けていました。
購入したばかりの振り袖や祖母の形見の高価な帯留め、毛皮の和服用防寒具や西陣織の和装バッグ、腕時計など、総額300万円以上すると思います。
降雪時の事故と言う事もあり、ほとんどが泥水で汚れていて、破れていたり壊れてしまっています。
二十歳のお祝いにと、帯留め以外はデパートで購入したばかりのもので、娘もかなり悔しがっています。
治療費などの請求はもちろんするつもりですが、交通事故の時に身に着けていて壊れたものに関して、弁償をしてもらうことができるのでしょうか?
【回答】
基本的には、交通事故で破損した物品に関しては、加害者に損害賠償請求をすることができます。
事故当時に身に着けていた物品を、警察または損害保険会社が認めた場合には損害賠償の対象となります。
損保会社の方でも人に対する補償の他に、物に対する補償も契約内容に含まれていることが多く、物品に対する補償を対物賠償保険と言います。
しかし、対物賠償保険では、補償する物品に関して時価で計算をされます。
たとえば購入時に50万円した腕時計でも、交通事故にあった時に5年経過していれば時価は5万円ほどと言う事もあります。
これは自動車や衣服などに関しても同じように言え、時価を超えて補償されることはありません。
また、自動車や時計など修理可能なもので修理費が時価を超える場合には、時価の価格までしか修理費が支払われません。
そのため、時計の修理に20万円かかったとしても、対物賠償保険からは時価の5万円しか支払われません。
よく交通事故の自動車の修理で、修理すればまだ乗れるものでも全損扱いで廃車するのは、修理費が時価を上回るため、被害者側が修理費を一部持ち出ししないと修理できないことが理由です。
ですがおおよそ40万円を超える高額な物品に関しては、損保会社も対物賠償保険の審査に慎重になる事が多く、事故で壊れたものの写真や場合によっては物品そのものの提出、修理見積書や購入時の領収書の提出、偽物が多いブランド物であれば真贋の判定書など、被害者側が物品の価値を証明する必要があります。
質問者の場合は、着物や時計などは購入してすぐと言う事ですのでデパートの領収書の提出と、帯留めに関しては修理費の見積もりと壊れていなかった場合の買い取り金額の査定書が必要になると思います。
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