交通事故の状況で食い違いが…正当な過失割合にするには?
【質問】
昨年になりますが、車線変更で接触する交通事故に遭いました。
相手の車が右車線から左車線に入ろうとする際に、相手の方の後方確認が不十分だったため、左車線を走行していた私の車の右前部分に接触してしまいました。
警察で事情聴取を受けた際、相手は後方確認を怠ったことを認めています。
ですので、100%向こうが悪いということにはならないとしても、私の方が被害者で過失は少ないと考えていました。
私の方は首~腰、右腕にしびれがあり、整形外科と整骨院を合わせて通院し続けてきて、ようやくよくなってきたところです。
そこで交通事故の示談について相手側の保険会社と話したところ、相手の方が「(私が)センターラインをまたいで走行していたから接触してしまった」と言っているので過失は100%私にあるというのです。
そのような事実はありませんし、交通事故後の話と違っていて驚いてしまいました。
主張を変えてきたことも困りますが、これまで続けてきた治療の費用や、自営業で治療のために仕事を休んでいた時期の損害が大きく、もらえると思っていた保険金が無くなるのはかなり困ります。
本来の交通事故状況を説明して正当な過失割合にするにはどうすればいいですか?
【回答】
相手に大きな過失があることを証明できれば、正当な過失割合を認めさせ、交通事故によって被った損害である治療費や休業損害を請求することができます。
乗り物に乗っていたのか、歩行中だったのか、交差点の状況、直進時なのか右折時、左折時か、信号の色などの細かな交通事故状況によって基本の過失割合が決められています。
交通事故の記憶をもとにした当事者同士の主張が食い違うことは少なくなく、このような状況で証拠となるのが、警察が交通事故後に作成する実況見分調書です。
中立の立場である警察が作成することから、客観性、信頼性が高い書類ですが、運転速度や脇見などの細かな事実は書かれていないことが多いのも事実です。
事情聴取で聞き取った事柄は供述調書に記載されますが、供述調書の開示は死亡・重傷となった交通事故、無免許、飲酒運転などの過失の大きい事故の刑事裁判に限られており、不起訴事件の示談で開示請求することは出来ません。
そのほか、ドライブレコーダーや交通事故後に撮影された現場写真に有力な証拠が映っている可能性があります。
交通事故直後であれば現場周辺の道路や店舗の防犯カメラを確認すると良いですが、一定期間でデータが消去されてしまうのが一般的なので、こちらは難しいかもしれません。
保険会社の要求に呑まれず、事実を証明できる証拠を準備するには、法律のプロである弁護士の力が役立ちます。
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交通事故における過失割合は、被害者が請求する賠償金に大きく影響する。相手の保険会社が決定した過失割合に納得いかない場合、根拠のある反論が求められる。
交通事故における過失割合で加害者と揉めた場合、加害者の主張が不当であるケースでは、弁護士を介入させ、対処する方法がある。過失割合における口論を個人でまるく収めるのは、容易ではない。
交通事故に遭われた被害者が受け取れる賠償金を増やすためには、自身で事故後の処理を進めるのではなく、弁護士に依頼し、弁護士基準で慰謝料を請求するのが望ましい。
交通事故のトラブルにおいて弁護士を雇う事には様々なメリットがある。しかし、必ずしも支払われる賠償金の金額が増えるとは限らないため、弁護士費用特約の利用も視野に入れるべきである。
交通事故の場合、過失割合に沿ってお互いがお互いの損害賠償をしなければいけないため、過失割合が小さくても負担が大きい時がある。