むち打ちでの入院。入院費は保険会社が支払ってくれる?
【質問】
赤信号で停車中に後ろから追突されて、むち打ちになりました。
交通事故の現場から救急車で病院に運ばれたのですが、首が痛いだけでなく吐き気が止まらず、立ちあがるのも困難なほどのめまいがありました。
すぐにCTを撮られたのですが、脊髄損傷や骨折などは見つからず、ひとまずはむち打ちだろうと言われました。
しかし、吐き気やめまいがあまりにもひどかったため、医師から検査もかねて1週間ほどの入院を言われました。
検査と治療を受けている間に、加害者が加入していた保険会社から病院に連絡があったらしく、保険会社が直接病院に治療費を支払うことになっていました。
そのため、入院しても保険会社が支払ってくれると思うのですが、もしかしたら「むち打ちぐらいで入院されても入院代は支払わない」と後から言われるのではないかと心配しています。
むち打ちでの入院でも、保険会社が入院費を支払ってくれるのでしょうか?
【回答】
むち打ちは入院をするような重篤な受傷ではないため、基本的には入院費用が支払われることはありません。
しかし、交通事故直後の場合、むち打ちの症状が重く医師が入院により治療の必要があると診断した場合には、むち打ちの急性期である1~3週間に限って入院を認めることが多いです。
質問者様の場合は、首の痛みというむち打ちの症状に加えて、めまいや吐き気があるため、単なるむち打ちではなく、脳に障害があったり、脊髄の神経圧迫などが原因である可能性もあります。
そのため、医師が検査もかねて入院を勧めたのは、交通事故後1日2日たって容体が急変した場合にも対応してもらえるので、患者のためにも良い、正しい判断であると言えます。
入院費用が支払われるか心配であるのならば、病院から保険会社に「治療のために必要な入院である」と伝えて、事前に入院費の支払いの了承を得ておくとよいでしょう。
ですが、むち打ちだけで1カ月2カ月と入院をしたり、いったん退院した後にむち打ちしか症状が認められないのに再入院をしたりした場合には、保険会社が入院費用を支払うことはほとんどありません。
入院中に脳脊髄液減少症や脳浮腫などの別の病状が確認できた場合はこの限りではなく、長期入院の可能性も出てくるため、病状に変化があった場合には病院を通じて保険会社に連絡を入れてもらう方が良いでしょう。
現在の状況では医師の指示通り入院をして、安静にしている方が一番といえますので、早めに保険会社の了承を得る必要があります。
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交通事故の後に被害者の過失により怪我が悪化した場合、交通事故の時点での損害以外は加害者と言えども補償する必要はない。
交通事故で入院した場合、医師から治療の必要性により指示があるなどでないと、個室利用料を加害者に対して請求することはできない。
交通事故の怪我の治療を、自己都合や自己判断で止めてしまうと、後の示談交渉が非常に不利となってしまうため、医師の指示通りに治療を続けた方が良い。
交通事故の被害に遭った時、被害者は一貫した主張をするべきであるのと共に、正直に正確な症状を伝える事が求められる。嘘をついて不法の利益を得た場合、詐欺罪に抵触する恐れがあり、注意が必要である。
交通事故の示談を加害者と直接した場合には、保険会社から保険金が支払われなくなるため、直接の示談はしない方がいい。