むち打ちの治療には病院か整体院かどちらがいいですか?
【質問】
先日、一時停止線で停車して左右確認していたところ、後続車に追突されました。
追突された衝撃から首に違和感があり、交通事故の現場から救急車で病院に搬送されました。
診断の結果、頸部捻挫、つまり、むち打ちと診断されました。
交通事故翌日の朝には、首が動かせないどころか少しの振動でも激痛がはしるため、もう一度病院に行きました。
しかし、湿布と痛み止めの飲み薬しか処方してくれず、痛みは少しも引きません。
その時ふと、会社の同僚が通っている整体院のことを思い出しました。
会社の近くにある整体院なのですが、同僚の何人かが通っており評判はいいようです。
以前に交通事故でも保険を使って治療が出来るとも聞いており、整体院に通院しようかとも考えています。
交通事故のむち打ちの治療の場合、病院がいいのか、治療効果が高そうな整体院がいいのかどちらが良いのでしょうか?
【回答】
むち打ちの治療に関する質問では、「交通事故の治療に整体院は使えないの?」「整体院に通いたいけど、病院が許可してくれない」といったものもあります。
まず、整体院で交通事故によるむち打ち治療を受けることはできます。
よく、「整体院や接骨院では交通事故の治療が受けられない」と言われていますが、正しくはありません。
厚生省などでも禁止令を一度も出したことがなく、厚生省も「正式に禁止をしたことがない」とサイトに掲載しています。
また、病院が整体院への転院を許可しない場合にも、患者には病院を自由に選ぶ権利があるため、整体院への転院はできます。
むち打ち治療の完了時には、医師の診断書に類似した施術証明書の発行を、整体院でもすることができます。
これだけをみれば、治療効果の高そうな整体院が良いと思えますが、実際にはいくつかの問題をはらんでいます。
整体院は施術者の技量により効果が大きく変わるため、病院よりも優れた治療が受けられるとは限らないという点です。
そのため整体院での施術により、むち打ち症状が悪化する可能性もあります。
また、レントゲンやCTなどの機材がない整体院が多いため、病院のようにCT画像で回復具合を確認できないと言うことがあります。
一番大きな問題としては、交通事故の後遺障害が残ったとしても、整体院では後遺障害診断書が書けないため、むち打ちで後遺障害の認定を受けたい場合に困ると言うことがあります。
病院としてもいきなり来た患者に、後遺障害認定の診断書を書いてほしいと言われても、治療の経過を確認できないので、後遺障害診断書の発行を拒否することがほとんどになります。
そのため、病院・整体院のどちらがいいかと言うことではなく、治療方法や後遺障害認定のことも考えて選ぶようにしましょう。
この記事を読まれた方にオススメの情報5選
交通事故で治療をしていて、医師から症状固定をされてしまうと、それ以降の治療費の支払いが保険会社からされなくなる。
交通事故以前から障害があり、交通事故で悪化した場合には、以前からの障害を考慮して差し引いた保険金が支払われるが、完治していた場合には純粋に交通事故で負った怪我として扱われる。
交通事故の怪我の治療を、自己都合や自己判断で止めてしまうと、後の示談交渉が非常に不利となってしまうため、医師の指示通りに治療を続けた方が良い。
交通事故での怪我の治療を中断した後、怪我が悪化して再開した場合には、間が空きすぎていると交通事故との因果関係が否定されて、治療費が支払われないことがある。
交通事故における示談交渉は、当事者同士でやりとりする分には問題無い。しかし、交通事故そのものには警察への通報義務が定められているため、必ず連絡する事が求められる。