後遺障害の認定がされませんでした。再審査してもらえる?
【質問】
6カ月前に、信号待ちをしている時に追突事故に遭いました。
事故直後から首が痛く、事故当日に病院に行ったところ頸部捻挫、むち打ちだと診断されました。
2カ月間治療を続けたのですが、痛みがひどく肩もあがらない状態であるのに、保険会社から治療費の打ち切りを言われました。
そのため、その後の週1回の通院は自費で行い、症状固定の書類を保険会社に出して、むち打ちを後遺障害認定してもらおうと思いました。
しかし、結果は後遺障害認定非該当で、一番下の14級すら通りませんでした。
保険会社に抗議したのですが、「後遺障害の認定をするのは保険会社ではなく、損害保険料率算出機構という第三者機関がするため、保険会社の方で変更できません。」と言われました。
後遺障害認定の再審査をしてもらうのは出来るのでしょうか?
【回答】
交通事故の示談の争点の一つに、後遺障害認定があります。
「後遺障害の等級が思っていたより低かった。」「後遺障害認定をしてもらえなかった。」と言うものです。
自賠責保険の後遺障害認定は、損害保険料率算出機構が提出された書類を審査して決められます。
後遺障害認定の決定に対して不満がある場合には、再審査をしてもらうことができます。
この再審査を「異議申し立て」といい、異議申し立てをする際には新たに書類が必要になります。
異議の申し立てをする際には、前回提出した医師の診断書や書類では後遺障害が認められない、もしくは低い等級でしか認めないと言う事ですので、交通事故で負った後遺症がいかに日常生活に支障をきたしているかを訴える必要があります。
また、後遺障害認定で一番重要なのが医師の所見です。
むち打ちの症状で後遺障害14級が認められないのは、CTやMRIなどの画像所見で脊椎や脊髄などの損傷が認められず、医師から見てむち打ちの症状が重大ではないと判断したからです。
一般的にむち打ち症状で、画像所見で脊椎や脊髄などの損傷が認められる場合には12級が認められます。
14級に認定されるのは、画像所見などがなく医師が「交通事故を起因とするむち打ち症状が後遺症として残っている」と、症状や判断するに至ったプロセスを詳細に記載しているからです。
そのため、再審査をしてもらう際には、再検査を受けて頸部の損傷部分を見つけるか、医師の所見を詳細に書いてもらう必要があります。
再審査により後遺障害等級の変更があるのは、わずかに10%ほどにとどまるため、再審査の書類作成には交通事故に精通した弁護士の力を借りる方が良いでしょう。
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交通事故で治療をしていて、医師から症状固定をされてしまうと、それ以降の治療費の支払いが保険会社からされなくなる。
交通事故の被害者が治療を続けていると、一定の時期を迎えた時、加害者側の保険会社から治療終了の打診がある。まだ治療を続けたい意思があるのなら、主治医に相談するべきである。
交通事故の示談後に後遺症が悪化しても基本的には補償してもらえないが、示談時には予想できなかったほどの著しい悪化の場合は、示談を無効とする判例もある。
交通事故で負った怪我の症状固定は医師が決めるものであり、痛みや改善の可能性がある場合は急ぐ必要はない。後遺障害の可能性も考えれば半年間の通院が必要である。
交通事故の後遺症により自宅のリフォームが必要になった場合には、保険会社からリフォーム代が支払われるので、リフォーム前に保険会社の了承を得ておく方が良い。