交通事故なのに保険会社が対応してくれず困っています
【質問】
丁字路の赤信号で停車中にわき見運転の後続車に追突されて、その衝撃で左側の土手にはみ出してしまい、そのまま斜面を滑り落ちて立ち木に当たって止まりました。
自動車の後ろは衝突の衝撃でバンパーが外れかかっており、エンジンルームは木に当たったため大きく歪んでいました。
そのため、自動車で土手の上まで上がるのは不可能でしたので、加入している自動車保険の窓口に電話をしてロードサービスを呼び、レッカーで吊り上げて修理工場に運んでもらいました。
ロードサービスを頼んだ際に、交通事故の事は簡単にですが説明をしていたので、後で保険の事故対応の担当から電話がありました。
事故対応の担当に事故の内容を説明したのですが、保険会社では対応できないと言って断られてしまいました。
あれほどテレビCMで事故対応の事を宣伝しているのに、対応してくれないことに不満があり、担当にはくい下がったのですが、「お客様には過失がないので、保険会社が介入できないのです」と言って電話を切られてしまいました。
私に非がないのならば、なおさら対応してくれたらいいのにと思うのですが、交通事故の名に保険会社が対応してくれないと言う事は、本当にあるんでしょうか?
【回答】
自動車保険の保険証などには、必ずと言っていいほど「交通事故時には保険会社に連絡を(24時間対応)」と記載されているため、交通事故の連絡をしたのに対応をしてもらえないのは釈然としないと思います。
しかし、自動車保険の会社も、全ての交通事故の対応できるわけではないのです。
交通事故の対応をするというのは、「保険会社が契約者の代わりに、相手方と損賠賠償の交渉をする」と言う事で、法律上では代理行為に当たります。
保険会社に代理行為が許されるのは「相手方に保険会社から保険金を支払う場合」に限られますので、今回の事故のように停車中に後ろから追突された場合には、契約者には過失がないため代理行為が許されません。
つまり、保険会社としては契約者からいくら要望があっても、介入することができないのです。
過失がない契約者が事故の対応を依頼できるのは、弁護士に限られると言う事になります。
レッカー移動などのロードサービスは、自動車保険本体契約とは別の特約になるため、過失がなくても利用が出来たものと思います。
また、自動車保険に弁護士特約が付帯している場合には、過失の有無に限らず利用することができますので、弁護士を雇用しようと思うのならば、事前に保険会社に弁護士特約の利用を打診しておいた方が良いでしょう。
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弁護士特約とは、交通事故の紛争を解決するための弁護士を雇う費用を保険会社が支払うもので、契約者にとって恩恵が多い自動車保険特約である。
当て逃げをされた場合、保険を使って修理できないのでしょうか?
車対車の事故で、自動車の修理をする場合は、お互いの保険会社の対物賠償保険を使って修理されるが、当て逃げで相手が分からない場合には、車両保険を使うのが現実的である。
自分にも過失がある交通事故の場合、保険会社は自身が示談交渉権があることを盾に、弁護士費用特約の利用を許可しないことが多い。
自損事故で同乗者が怪我をした場合でも、搭乗者保険や人身傷害特約が付与した自動車保険に加入していないと、保険金が支払われないことになっている。
自動車保険に弁護士特約が付帯しており交通事故の示談に利用する際、保険会社の承認が必要です。弁護士費用の支払いは保険会社から直接弁護士事務所にされるものもあり、利用しやすくなっているものもある。